蛭考

昨日の御在所、またしても献血してしまいました。
どうやら本谷ドンツキから点検道で朝陽台へ上がった時にやられたようです。
数ヵ所やられた中でも脇腹のものが重症?で、帰りに寄った温泉で全く血が止まらず往生しました。
花崗岩質の所には居ないと言われ、昔は御在所、鎌などでは蛭被害も皆無でした。すぐ傍の入道のようにヌタバの多い所では要注意、同じ花崗岩質の釈迦でも偶に聞く事もあったという程度でしたが、近年勢力を拡大し花崗岩だらけの御在所でもよく被害にあうようになりました。もはや石灰岩質だからダメ、花崗岩質なら大丈夫、なんて言うのは過去の話となって久しいです。
血が止まらないのは蛭の唾液に含まれるヒルジンが血液凝固を妨げる為というのは周知の通り。
ヒルジンのヒルは、蛭の学名Hirudineaから来ており、和名の蛭(ヒル)とも何だか関係深そうです。
ただ英語ではLeech、ドイツ語でもBlutegelでHiruと言う発音とは無縁だし、ヨーロッパでは古くから瀉血の為に医療用として使われていた歴史もあるので和名のヒルがヨーロッパに伝わったなんて事はあり得ません。
ヒルジン(Hirudin)の名も1800年代から1900年代にかけてイギリスの学者が抽出、命名した事から単に学名Hirudineaに因んだものと思われます。じゃあHirudineaとヒルの名は単なる偶然? よく解りませんね。
行動中ヒルに食われても全く気が付きません。何となくむず痒くないか? チクッとしなかったか? などと気にしてズボンを捲り上げても何ともない事の方がずっと多いです。触感とは無関係に定期的に蛭チェックをして発見する事が殆どです。或いは衣服が赤く染まっているのに気付き捲ってみたら既に「ご馳走様。」と言って逃げ去った後とか。
この痛くないって事も被害を助長している原因です。これもヒルの唾液に含まれる麻酔成分が原因です。ヒルは長い進化の中で如何に効率よく安全に吸血できるかという能力を身に付けて来たんですね。
ただこんな言い伝えもあります。長年蛭に吸血されてきた人の血液には対抗成分が出来て、その血を吸ったヒルは死んでしまうとか。
しかしこの話は、被害ばかり受けてきた人間のささやかな願望でしか無いような気がします。せめて想像の中だけでもヒルに一矢報いたいという。
今回の被害、傷跡を見てみますと脇腹に2ヶ所並んであります。1㎝も離れていません。今までにもこのような傷跡は何度か経験しています。
ヒルは塩分を嫌うので大汗かいてしょっぱすぎるとその位置は諦めて他の所から吸おうとするのではないか? なんて思っています。
この2ヶ所の傷口、大抵は一つは傷口も大きくなく止血も容易です。これが嚙みついてからすぐ諦めた方、その隣の全く血が止まらない方が本格的に大喰らいした方。
ヒルのビヘイビア、まだまだ解らない事だらけです。もっと経験を積まなければその振る舞いを知る事は出来ません。
もっと献血して仲良くならないとダメでしょうね。