円安

このところ急に進んでいますね。この勢いで行くと1USD=180JPY、いや200JPY辺りまで行っちゃいそうな。
しまった外貨債権、外貨建MMF、残して置くんだった。
輸入に頼っている食料やエネルギーは当然上がります。そしてその影響から国内の生産品も上がります。既に上がっていますがもっと上がります。
困ったなあと思いますが、今までの円が強過ぎたのです。その結果経済も伸びず失われた30年というバブル景気後のデフレが続いていたのです。生活面ではそのデフレの恩恵を30年間享受していた訳です。
それがこの円安を契機にパラダイムシフト、円安を武器に輸出産業が活況になります。なんだかんだと言ってもやはり日本は輸出で食って行くしかないのですから、これが盛況になれば景気が上向きいずれ我々の生活にも反映されます。
今少し辛抱しましょ。って我々年金生活者はあまり恩恵に浴せないかも。諸物価高騰から今年の年金額はほんのちょっぴり上がったようですがほんの微々たるもの。やはり何か商売でも始めないと駄目かな?

思えば戦後の長い間1USD=360JPYでした。戦後の荒廃した日本には産業と言えるものは無く、その経済状況からこのレートとなっていました。当時は世界的に自国経済発展の為に自国通貨を低めに誘導するといった競争状態にあったのですが、それを安定化させる目的で為替の固定相場制が採られたのですね。米国主導で行われたこのブレトンウッズ体制、基軸通貨であるUSDを、35USD=金1TOZ(トロイオンス)とする金本位制でした。
それが欧州、日本などの復興と経済発展、ベトナム戦争における米国の経済力低下に伴い米国の金準備高が激減、ドルと金の兌換が難しくなりました。
それで各国のレートを上げ、米国ドルを低くした固定相場とします。これはニクソン大統領時代であった事からニクソンショックと呼ばれています。丁度私が21才の時です。
1USD≒300JPYくらいになりましたがそれでも為替が固定相場のままではうまく行かず翌年には変動相場制に切り替えました。この時に金本位制も止めドルと金の兌換もなくなりました。各国の経済状況に合わせて為替相場が決まる変動相場制の方が為替で調整が効くので余程安定します。
その後は円/ドルレートはどんどん円高に。大体1USD≒240JPY近辺で落ち着いていた頃、私が35才くらいの頃ですが、米国経済の落込みが激しくジャパンバッシングや日本への経済の構造改革などの要求が頻繁に行われていました。「Japan as No.1」なんて本が上梓されたり日本経済が一番輝いていた時代ですね。その後プラザ合意がありました。資本主義経済圏全体でドル安を誘導して行こうという合意です。この後はどんどん円高が進み1USD=150JPYくらいが普通になります。丁度この頃、私が担当していた製品の輸出と重なり商談そのものが無くなるのでは?と危惧した事を思い出します。輸出先は米国ではないのですが取引は基軸通貨であるUSD。基軸通貨は便利な反面不便な事でもあります。
その後日本の経済発展に伴い1USD=100JPYどころか1USD=80JPYくらいに。バブル後は大体100円台で推移していましたが、経済低迷期であるにもかかわらず愚かな民主党政権時には70円台に。これで日本の産業は息の根を止められてしまいました。安倍政権に移ったところでいきなり120円台、これで死にかけていた産業もなんとか息を吹き返したのです。

こうしてみるとやはり日本経済が活況であるためには円安抜きでは考えられません。もともと各国ともに自国経済を活性化させるために自国通貨を低く誘導するように努力を重ねて来たのです。努力せずに円安になるなんてこんな有難い事はありません。物価高で困るとばかり言ってないでなるべくしてなった円安、大いに利用して国を豊かにしようではありませんか。
トランプさんが「円安は米国にとって大惨事。」と言ったそうですが、自国経済の発展を思うなら極々当たり前の事です。何も言わない何もできない米国民主党政権こそ愚かな政権と言えるでしょう。

P.S.
日本が保有している海外資産、これも円安によって日本円での価値が上がります。国の借金がどうのこうのと仰っている方々、バランスシートってご存知ですか? 右方、左方ってご存知ですか?
そして物価が上りインフレになると相対的に借金が少なくなります。言ってる事解りますか?