涸沢

涸沢さらば、また来る日まで。
横尾に続く雪の道。
返り見すれば遠ざかる、
瞼に残る屏風岩。


御存知「穂高よさらば」の一節。
つい先日御在所でよくお会いするスイーツさんとfacebook繋がりになり、その時涸沢の話をしたものですから思い出してしまって。
このくだり、ちょっと変なんですね。涸沢を後に横尾に向かえば屏風岩はだんだん近付いて来る筈です。返り見したら前にある屏風は視界には入りません。でも細かい事は良いか。テント内の酒盛り(合宿中は毎晩酒盛です。)でよく歌ったなあ。
うちのかみさん、一時期は毎週のように通っていました。当時は行楽シーズン以外は上高地への車の乗入れは自由でしたので、中年オヤジを取っ替え引っ替えアッシーに。
奥の方まで乗入れればそれだけアプローチが短くなります。深夜着、仮眠の後でっぱつ、新村橋、松高ルンゼで奥又白で1ビバーク、順番待ちを避ける為早朝から行動開始して前穂南東壁から前穂、奥穂、涸沢からパノラマコースと一回りして車に帰着、迫る夕闇に追い立てられるように帰途につく。なんて事を続けていたんですね。


あのタフだったかみさんの今の姿を誰が想像出来たでしょう。
もう涸沢なんて行く事は無いでしょう。
せめて自力で歩けるようになって欲しいです。
こうやって世話をしているとまるで子供のようです。この年になって駄々っ子の世話をするとは思いませんでしたが、これはこれで愉しいものです。
暇を見てはこうやってi-PadでNetにも繋げるし、便利な世の中です。