山の食事考

最近、御在所通勤で豪勢な食事を頂いています。と言っても面倒臭がりやの私がわざわざそんな準備をする訳がありません。全て人様からの頂きものです。
元々山での食事を楽しむという文化は我々には無く、合宿は別として個人山行では全て行動食で済ませるのが普通でした。
対してNetを覗くと皆さん手を変え品を変えいろいろと工夫され食事を楽しまれています。私自身が自らそのような凝った事が出来るとは思いませんが、多少は今まで以上に手をかけても良いのかな?と思っています。
景色を楽しみながらただ歩くだけの山行では他に楽しみがある訳でもなく、食事が山の楽しみの中で大きなウエイトを占めていて当然かと思います。それに登攀具などの余分な荷物が無ければその分食材を持つ事も出来るわけです。
ではどのような献立とするか? えっ、これが私にとって最も難しい問題かもしれません。手抜きのメニューならすぐ思いつくですが…。
いやその手抜きメニューでさえ準備から始めるとなると苦痛です。これ全て今までの食に対する手抜きが祟っているのでしょう。
そう言えば合宿での食当って苦手だったなあ。当時どんな献立だったかというと、トン汁、すき焼き、山菜御飯、ラーメンライス、カレーが定番でした。長期になってもこれの繰り返し。いや、カレーだけは繰り返さず最終日前日に持ってくるのが普通でした。何故って? 臭いからですよ。こんなもの初日に持ってきたら、テントにその臭いが付いてしまい合宿中それが鼻につき耐えられません。
好評なのはトン汁でしたか。仕込みは至って簡単で豚バラ肉を味噌に漬け込むだけで済みます。後は好みの野菜をきざみポリ袋に入れておくだけ。野菜が面倒なら切干大根だけでOKです。軽く嵩張らず水で戻すだけで凄くボリュームが増えます。何にでも流用できるので本当に便利です。切干大根ほど用途が多くはありませんが、干し椎茸も軽量です。軽量というと、すき焼きのしらたきの代用に使う春雨。これも乾燥しているので軽量コンパクトです。お湯で茹でるだけで何倍にも膨れボリューム満点です。乾燥食材は本当に便利です。(というか軽量です。)当時ジフィーズが販売されておりメニューも豊富でしたが値段が高すぎました。我々貧乏人はお値段とめかたを天秤にかけメニューを決めていました。豆腐の代わりに高野豆腐にするとやはり軽くなります。チョット食感は違いますが。
重量にシビアな割りにカレーはレトルトばかりでした。でもひとり一袋と決めておけば喧嘩になることはありません。
そしてご飯もアルファ米(ワンタッチライス)。それにお漬物は胡瓜のキューちゃん。
調理に使ったコッファーや食器は最後にお茶(日東紅茶ティーバッグ)を注ぎ洗うようにして飲んでしまいます。食料を余らせたり捨てたりなんて勿体ない事は出来よう筈がありません。お金が勿体ないと言うより1gでも軽くしたいと思いながら、身を削る思いで運び上げた貴重なものです。ボッカの労力を思うとお金よりずっと貴重です。
当時は学生さんの間ではペミカンが多用されていました。味覚センスに乏しい、単に腹さえ膨れれば良い若者には合っていたかもしれませんが、繊細な味覚センスを持つ我々?としては遠慮したい代物でした。あんな脂臭いものよく食べられるものです。返って感心してしまいます。
主食以外に行動食の中に結構嗜好品が含まれており、これが補助的な役割を果たしてくれていたのかもしれません。ツナチップ、ベビーサラミ、ベビーチーズ、豆菓子などは酒のつまみにもなります。
この程度しか山での食事のレパートリーが無いので、皆さんの凝った献立ってどのようにされているのか皆目見当がつきません。
やはり面倒臭がりやのtanuoさんには、朝昼晩全て行動食がお似合いかも知れません。