富士山頂

夕べ、見過ごした朝刊に目を通した後に、最終頁のTV番組欄に「富士山頂」の文字。
放送は9時からで時計を見ると10分ほど前。
当日のページ更新の作業をキリの良い所で中断し寝室へ。TVを点けるとちょうど始まるところでした。
ご存知のとおりこの映画は石原プロの作品であり、原作は当時気象庁に勤めており、このプロジェクトの推進役であった藤原寛人本人(ペンネーム:新田次郎)です。
今再び見てみると少々クサイ作品ではありますが、短時間に纏めるとなるとこの程度のものになってしまうのでしょう。そういった点からすると、今封切り中の【点の記】も推して知るべし。まるビのtanuoさんとしては「TV放映されてから無料でみれば良い。」となってしまいます。
しかし約40年前に石原プロが目指していたものがなんとなく解かる気がします。商売としてやる以上収益を上げる事は必要でしょうが、単純に娯楽性のみを追及するのではなく、世の中の人々に訴えかけたかったものを題材としている事から当時の息吹きを感じます。【富士山頂】の他に【黒部の太陽】【太平洋ひとりぼっち】【栄光の5000km】などの作品は当時の世相やその元となっている当時の思想が滲み出ているように思います。そのフロンティアこそが石原氏が人々に訴えかけたかった事ではないでしょうか。
根底にあるのは、人々の為にという滅私奉公の精神であったり、何かにひたむきにうちこむ姿であったり。
今となっては悪の代名詞となっている官僚機構ですが、当時はその官僚達が先頭に立ち火の粉を払いながら人々の為に粉骨砕身努力を重ねていたのです。いつからこんなに堕落してしまったのでしょうかねえ。


新田次郎の作品、とりわけ歴史上の実在人物をモチーフとした作品にはすべてこのフロンティアがあります。それが小説嫌いの私にさえ感動を与えているのだろうと思います。


夕べはそのまま作業中断。そのしわ寄せで早朝から残務処理。予定が狂い時間のやりくりが大変。
あっ、こんな日記書いている暇は無いのだった。さあ久しぶりに掃除して…。そうそう網戸の張替えもかみさんから命じられていたんだった。忙し忙し。