夜更かし

眠い。
夕べ、写真のリサイズやら記事の殴り書きやらしていると急に睡魔に襲われた。
途中で中断し寝室へ。ベッドに横たわりTVを点ける。リモコンで選局を繰り返していたら【チャングム】をやっていた。何週か欠落しているのでまた話が跳んでいる。観ている内に目が覚めてしまい今度は眠れない。
その後も選局を繰り返していたら、【ビートルズの103時間】という番組をやっていた。来日時の模様とそれに関わった人達、その影響を受けた人達のエピソードであった。
1966年というからもう40年も前の事である。私の中学生の頃かと思っていたが高一の時であった。マスコミを始め当時の社会は批判的であったという事だが、私の目から見るとその頃は既に社会的にも充分認知されていたように思う。私自身は中学生の頃ビートルズの存在を知った時から割りと冷ややかな目で見ていた。しかし周りには彼らの曲の歌詞から英語を勉強している者がいたり、ロックだけにとらわれない音楽の幅の広さから、並ではない事は充分認識していた。
幼い頃から芸能オンチで、流行りが去ってからその良さが解かる事が多く、良さを理解できるまでに時間がかかる、言い換えれば咀嚼に時間がかかる、というのが私の特性らしい。
ビートルズの社会的認知度の上昇と伴にそれを追いかけるかのようにTVでモンキーズの番組が流されるようになった。世界中でビートルズ風のグループが誕生しており、日本でもグループサウンズの最盛期を迎えようとしていたのである。
偉大である事は認識していたがそれにのめり込む事はなかった。他にやることがいっぱいあったからかもしれない。そして暫くの後、突然解散してしまった。世界的に有名になってからの活動期間は意外と短いのである。それでも最も多くの人々に最も大きなインパクトを与え、それが今も尚、新しい世代の人達に影響を与え続けているのである。
私が遅れ馳せながらのめり込むようになったのは、就職し自分の稼ぎでオーディオ機器を自作してからである。当然解散してからの事なので世の中の熱が冷めてしまってからである。しかしどういう曲があったかは知っていた。案外経済的理由から「あの葡萄はまだ酸っぱい。」と自分自身に言い聞かせ続けていたのかもしれない。そして短期間の内に全アルバムを揃えてしまった。原盤はあまり針を下ろす事も無く全てテープに録音しもっぱらテープデッキで聴いていた。(当時はまだレコード盤全盛期であった。)
解散後のジョン・レノンのアルバムやマッカートニーのアルバムも持っている。
ジョン・レノンは解散後ますます思想家として磨きがかかり、マッカートニーはますます音の面白さを追及するようになっていった。解散により縛りから開放され、よりそれぞれらしくなって行ったように思う。
ビートルズ時代からジョンは簡潔な歌詞で誰にでも受け入れられ易い歌詞を、ポールはメロディアスで綺麗な曲を得意としていた。
イメージとしてジョンは慈愛に満ちた哲学者、ポールは愛嬌たっぷりのやんちゃ坊主である。顔つきからしても生粋のアングロサクソンとラテン系(フランス人)という感じである。ちなみにリンゴはトルコ系、ジョージは個性が無くアングロサクソンに近い。
私が最も影響を受けたのは解散後のジョン・レノンのアルバム、イマジンである。そして平和運動に傾倒し挙句の果ての暗殺である。CIAが関与しているとかいろいろ言われているが、あの暗殺によりジョンの思想は全世界に広がる事になったのである。


40年前の出来事を見つめなおし、その後の世の中の流れを思い浮かべている内、すっかり目が冴えてしまい寝付く事が出来なかった。
おかげで今も眠い。
茶店で一週間分の読書(マンガ)をしてから昼寝いや、夕寝する事としよう。