フィロソフィー

今朝の中日朝刊から。
一面トップには、福島第一原発の海水注入が実際は中断していなかった旨の記事。
このニューズは夕べのNet Newsで知っていましたが、新聞にあった大見出しの下の小見出しに吃驚仰天。なんとその報告をしなかった所長を処罰するとか。
一分一秒を争う朝の貴重な時間を割いて、結局記事に目を通す事に。(いつもは見出ししか見ていません。)
いかにも東電のやりそうな事です。「役人以上の官僚体質」と言われる所以です。
所長の吉田さんが、なぜ無断で独自判断により中断しなかったのか? なんてこの連中には考えることすら出来ないのでしょう。
周りの顔色ばかり窺い自分ではなにも決める事ができない、人の上に立つ資格など全く持ち合わせていないからこそこういう事になったのだと思います。バカ相手に議論しても時間の無駄だからです。
本来なら上に立つ者はバカな政府の顔色なぞ窺わず、現場に対し「出来る事なら何でもやってくれ。全責任は俺が取る。必要な支援はどんな事でもする。」くらいな事を言うものです。それが出来ないのは東電トップ全員が民僚役員だったって事です。
なぜリスクを負ってまで吉田所長が海水注入を中断しなかったのか。それは私利私欲ではなく地域の人々の為、日本に住む人々の為にとの判断からでしょう。
経営トップは保身が最大の課題なのでしょうが、吉田さん以下現場の人達は被害をくい止める事が最優先の課題だったのです。原発のリスクを知り尽くしているからこその英断だったと思います。
もし吉田所長が経営陣と同種の人間だったらと思うと身の毛がよだつ思いです。
福島第一原発の核燃料の量はチェルノブイリの比ではありません。海水注入中断で冷却できていなければ再臨界に達し大爆発を起こしていたと考えられます。その量からすると福島一県などで済む筈がなく、東北、関東、中部に及ぶ直接被害、日本全体、朝鮮半島、中国、台湾、ロシアの汚染だけでなく偏西風に乗りハワイ、アメリカ本土、ヨーロッパにまで波及していたかもしれません。
いわば吉田さんは世界を救った英雄と評価されても良いのです。
吉田さんは東電から処分されてもなんら後悔などしないでしょう。自分に恥じない行動をしたまでですから。それに想像を絶する被害をくい止める事ができた事に満足していると思います。
それと比べたら東電をクビになることなぞ屁みたいなものです。自身の哲学に則った行動をする人々にとってその行動規範に反する事ほどなさけない事はありません。逆に自身の哲学を持たない人々というのは物事の判断基準が損得だけになってしまいます。東電経営陣などその典型です。


東電に限らずこの民僚社長、民僚役員達が今の日本の殆どの企業に蔓延っています。報酬と保身しか頭にない人達です。これらの人種がいなくならない限り再び日本が甦る事はないでしょうね。
東電が吉田さんを解雇しても世界中の原発企業が競ってオファーしてくると思われます。この大事故を間近で経験しその対応の実績を積んだ人って世界中で吉田さんしかいないのですから。
いや、【アレバ】なんてすでにコンタクトを取っているかもしれませんね。