ああ、なさけなや

本日職場に一本の電話。
「○○さんのご家族の方に、ってスーパーの方からなんですが…。」
「うちの子です。代わります。」
取りついで貰うと調布のスーパー○○から。S司がバイトをやっていたところだ。
保険証やキャッシュカードなど4枚程のカードを拾い、わざわざ連絡先を調べてくれたらしい。
お礼を言って着払いで家に送ってくれるようお願いした。


帰って来た翌日、腹痛で医者に掛かろうとして保険証を失くしたのに気付いたらしい。その翌日に職場で再発行の手続きを頼んだが、4月でまた切り替わる為それまで待つように言われた。
多少払い戻しが早くなって良かった良かった。


しかしなあ、S司には何も持たせられんなあ。今までよくひとりで生きてこられたものだ。
この一年ほど前にも、同じく調布のマクドナルドから保険証を拾い預かっている旨の電話があった。全くもって落し物の常習犯である。小学生じゃあるまいし…、いや未だに小学生並の知能しか持ち合わせていないのかもしれない。幼い頃から人とは少し違った子で、特殊学級行きを覚悟していたがなんとか行かずに済んだ。そしてやっと人並みになってきたかなあと思っていたらこの有様。社会生活を営む上で人並みでないところは結局良くはなっていないようだ。この気苦労は一生絶える事は無いのかもしれない。
【学者バカ】という言葉があるが、このまま行くとそうなるのだろう。一般常識に欠けた子でも一芸に多少秀でたところがあれば、まあ良いか。何のとりえも無いよりはましか。そうとでも思わなければやってられない。
中学の時に通知表に【1】を付けてくれた先生の評価は間違っていなかったって事か。


このおバカ、他にもよく物を失うが不思議な事に必ず戻ってくるのである。これも人徳と思ってやるしかないのか。
かみさんはこのS司に対し、【鈍感力】が高いと言う。この【鈍感力】は人が生きていく上で最も大事な能力なのだとか。
ああ、私もこの子くらい鈍感だったならどんなに幸せだった事だろう。
いや、今からでも遅くない。私も【鈍感力】を養いしつこく生きながらえてみせるぞ〜。