団欒

最近家の中が賑やかである。賑やかを通り越しうるさいくらいである。
倉庫と化した部屋を片付けるでもなくT哉は遊びまくっている。かみさんに託っていた用事もやっていない。忘れていたと言うより先送りしていると言う方が当たっている。それでかみさんはおかんむり。食事中もガミガミ言っている。つい先日までのお通夜のような食卓が懐かしい。いつの間にかその方が性に合ってしまったような。元来ネクラだからなあ。
「明日は滑り納めして来ようかな。」と独り言のように言ったら、「駄目!明日はS司が帰って来るんだからね。皆で手羽先食べに行くの。」
なんでもS司が食べたいと言ったらしい。風来坊の手羽先が名古屋名物であることは東京でも有名らしい。名古屋人でありながら一度も行った事がない。って事が甚くS司のプライドを傷つけたらしい。別にあんなもん、そんなに旨いとは思わないが…。
かみさんは割りと好きなのである。子供が小さい頃は夏の夜の夜遊びにちょくちょくドライブを兼ねて風来坊などに出かけたものだ。子供を寝かしつけた後二人で出かけるのだが、帰宅した時子供二人が玄関のドアに寄りかかり大泣きしていた事があった。目覚めたら親が居なくてもの凄く不安になったのだろう。その後我々夫婦の夜遊びはピタッと止まってしまった。
そう言えば今日が卒業式だったんだなあ。5年間ご苦労様。(一年留年しているのである。おバカな子)でも本当に卒業出来たのだろうか。まだ少し不安なのである。でも何も連絡が無いって事は無事卒業できたのだろう。
これで久しぶりに家族全員が揃うことになる。ああ、騒がしい事だろうなあ。お通夜のような食卓が懐かしいtanuoさんなのである。