どうにもならん家康

netの記事を見ていると、NHK大河ドラマ【どうする家康】の史実と大きくかけ離れた内容への批判が多いです。
私も予々そう思っています。これが公器としてのNHKが放送して許されるものなんですかね?
私が最初に見たのは未だ家康の幼少期、一時期織田家に預けられていた頃のものです。当然信長や妹お市と会う機会はあったと思われますが、信長公記に全く記されていない以上信長もお市も家康(竹千代)には無関心だったと思われます。当然ドラマのような接点があったとは考えられません。
あまりにも荒唐無稽過ぎてその後も観る事はありませんでした。
偶々次に観る機会がありました。かみさんはいつも録画しておき翌月曜日午前中に観ていますが、その横で聞こえて来たもの、その内容がどうやら【金ヶ崎の退き口】のようでした。色んなエピソードが資料として現存しているものです。
何と無く興味が湧き顔を上げTVの画面に目をやります。
が・・・、その内容に吃驚仰天! こんな無茶苦茶、天下のNHKが流して良いものか?
観ている人の中には全く日本史なぞ学んだ事のない人もいるでしょう。その無垢の脳裏にこんな出鱈目を刷り込むとは!
犯罪者紛いの政党、旧NHK党ですが、この時ばかりはこれらの犯罪者集団に肩入れしたくなってしまいました。
そもそもこの時の戦は全軍集結して両軍が一気に戦うようなものではなく、各部隊がそれぞれの拠点に陣取り各部隊ごとに戦うといったものです。当然主だった武将は別の陣を張っているので一同が一緒に居る事などありません。
本体の信長は浅井長政の裏切りを知るや否や各部隊への連絡もせずに退却しました。それを知った秀吉は【殿】に加わり、最前線に位置する金ヶ崎の家康に退却するよう知らせます。決して番組で流したような狡い卑怯者ではありません。私が思うに、秀吉は信長直属の家来、家康は同盟軍の総統であり主君信長と同列の立場でしたが、お互い尊敬しあっていた仲だったろうと思います。それだから家康は退き際に直面した秀吉の危機(殿を務めていた秀吉軍が浅井朝倉軍に包囲されていた)に、わざわざ加勢に向かっています。普通なら両者共に敗走中、とても人の事なんて構っている余裕はありません。見捨てて自分だけ逃げ延びても誰の批判も受ける事はないのです。それでも家康は救援に向かいました。それが私が「お互いに尊敬しあっていた。」と考えている証拠です。
このことがきっかけで後に秀吉は事あるごとに家康を褒めちぎっています。
何かにつけて人に気を配っていた【人タラシ】の秀吉の一面が表れています。

これ以降【どうする家康】は全く観ていません。脚本を創造するのは構いませんが、それはせいぜいあまり目立たないアンダーグラウンドでやって貰いたいものです。天下のNHK大河ドラマで放送するものとしてはあまりにもお粗末ではありませんかねえ。