スター

金曜の夜 夕刊に目を通していたら、中ほどに小さなコラム。山云々の見出しに目が行き斜め読み。
NHKの【金特】で、田部井さんと一緒に北アルプスを実体験しているアナウンサー氏の記事でした。
立山から奥穂のジャンまでの縦走の特集が放送されるそうで、その紹介と感想を述べたものでした。
そして放送日時は9月4日と11日。えっ、今日じゃん。
時刻は既に8時20分。早速二階へ行きベッドに横たわりスイッチオン。グータラtanuoさんは何かにつけこの姿勢が一番楽なのです。
既に半分が過ぎており、薬師岳から雲の平まで。あっちゅうまに終わってしまいました。
急峻な岩峰も魅力的ですが、女性的なたおやかな峰々というのも安堵感を覚えとても魅力的です。
そして後半はまた来週。
かつて少ない休暇をやりくりしながらの山行に終始していた身とすれば、仕事を兼ねて10日もかけて山行できるなんて本当に羨ましい事です。たとえ山好きでなくてもこういった体験をすれば大抵の人は山好きになります。
最近はNHK教育テレビでもよく田部井さんが出ているようです。そういえばNHKの中高年の何々で有名な岩崎さん(だったかな?)ってどうしちゃったんでしょ。教育テレビでは著名人に体験してもらう方法が多いのですが、総合テレビの【金特】では局所属のアナウンサーが出演しています。
最近はこの傾向が強いようです。昔のように圧倒的な人気を誇るスターの体験を介してというより、どこにでもいるようなごく普通の人の体験を介して、というものです。
田部井さんもその実績は超人的なのですが、今ではそれを知らない人も多く、外見的には東北訛りのあるごく普通の田舎のおばさんとしか映らないでしょう。ご存知ない方の為に紹介しておきますと、田部井さんは女性として人類史上初のエベレストサミッターなのです。30数年前はスターと言える存在でしたが、庶民的なあの気性から田舎のおばさんのイメージが勝っています。
今は圧倒的なスターの存在感に力を借りるより、自分達と同じ目線の人達の体験を介して番組を組立てる方が視聴者にも馴染みやすいのかもしれません。
芸能界の事は良く解からないtanuoさんなのですが、今は昔のような圧倒的なスターというものが居なくなっているような気がします。街中で良く見かけるヤンキー娘がタレントになっていたり(決して貶している訳ではありません。)と、昔のようなそれこそ雲の上の存在なのではなく、庶民の手の届く所に近い存在になってきているように感じます。それが別に悪い訳でもなく、こういった世相なのかな?と思っている次第です。
世の中が均質化してきているのでしょうか。それとも憧れなど必要がないくらい生活が豊かになった所為でしょうか。
格差社会、世の中の閉塞感、云々といろいろネガティブな情報ばかりが流されていますが、スターが現れなくなった事自体がそれほど悪い世の中では無い事を証明しているように思うのですが…。


今、ジャーナリズムの危機がよく囁かれています。日経新聞さえもが赤字転落、テレビ局も高コスト体質から脱却出来ずに本業の赤字を他部門で補っているところばかりです。Netによる侵食の所為ばかりとも言えないような気がしています。
いたずらに不安を煽る報道、意味も無い事を執拗に追い続ける番組、政治にまで介入する異常な番組体質、これらに対する庶民からの批判が低迷に繋がっているとは思わないのでしょうか。
あげく昨今のバラマキ政策に「ジャーナリズムにも補助金を。」などと言い出す始末。
世の中の動きをよく観察し、本来どう有るべきかを訴えかける事が本来の役割であった筈。それが出来ないマスコミにジャーナリズムの救世主となるスターも生まれて来ないでしょうねえ。