タブー

カトちゃんの「ちょっとだけよ〜。」の曲の事ではありません。
昨日BSのアテルイ伝を見ていてふと思った事です。
地元東北ではつい最近まで歴史の授業でもアテルイに触れる事はなかったそうです。中央集権国家に取り込まれた結果、それにはむかったアテルイは地元の恥とみなされタブー視されてきたそうです。それが近年地元の英雄として脚光を浴びているとか。昨日述べた地方分権への流れの一端でもあるのでしょう。
タブーの裏には、実はそれに触れたいのに人目を憚りそれが出来ないもどかしさが漂っているように見えます。
すこし引いて周りを見回すと、この日本ってタブーが多いですね。「怪しいものには蓋をしておこう。」という安易さが見て取れます。その結果何もかもが硬直化し解決策すら見出せなくなっているように思えます。憲法9条しかり、TPPしかり。
先日の安倍さんの所信表明、各メディアは「先ずは安全運転。」と評しています。その裏には「タカ派なのに。」と付け加えたがっているのが見え見えです。良識がありタブーに対しても正論を吐くとタカ派と決め付ける、所詮日本のメディアはその程度のものなのでしょう。
私自身も現時点では憲法9条を改正する必要は無いと思いますが、この先世界がどう変わるかなんて誰にも解りません。その状況に応じて法律或いは憲法も変えて行かなければなりません。ところがK党S党なんてそれについて議論する事すら拒んでいます。このように9条をタブー視する事こそが最も危険な事である事に全く気付いていません。挙句K党S党は硬直化してしまい殆どの国民から見放されている事に未だ気付いていないようです。
TPPについても同様です。協議に参加するかどうかの段階で協議する事自体に反対しています。そうこうしている内に日本抜きで協議が進んでしまい、後で加盟するにしてもより敷居が高くなってしまいます。反対している人達ってまるで江戸末期の攘夷派(鎖国派)そっくりですね。ちゃんと学校で日本史を学んできたのでしょうか。まったくアホとしか言いようがありません。ものごとをタブー視して直視しなければそれが何であるかさえ解りません。こんなんが国会議員ねえ、へ〜。
学校の成績が良くても何も出来ない今の日本のエリート達の弊害がこんなところにも現れているんですね。日本の大学のレベルの低さ、世界からの評価の低さも納得です。
TPPの意味すら解っていないのとちゃいまっか? Trans Pacific Partnership 太平洋を取り巻く地域でお互いに協力しあいましょう。って意味です。食料自給率なんてなんの意味があるのでしょうか。「エサが無くて腹がへったのなら別の地域から供給しますよ。」のどこがいけないのでしょう。長年補助金漬けで農業を弱体化させたのは誤った農政の所為、「過ちては則ち改むるに憚ること勿れ。」です。その補助金、米作農家以外からの税金で賄われているのです。
ちょっと余談になりますが、先祖伝来の農地などとよく言われます。これ全くのウソです。日本の農地は終戦前まで少数の地主のものでした。戦後GHQの農地改革で地主の土地を小作人達にタダ同然の価格で分散させられた結果今の小規模農家だらけになったのです。地主達はマネジメントには長けていても直接農作業に携わる事はできません。殆どの地主はこれが元で没落して行きました。地方でよく聞く話ですが、旧地主達を悪く言う人はいません。昔の農法では天候による豊凶が激しくこれを担保する役割も担っていたのです。戦後の高度成長期、タダ同然で得た農地を地価高騰の波に乗り大儲けした旧小作人の子孫が数多といます。いやほぼ全てと言って良いでしょう。これらの農家、全て小規模で専業ではなくサラリーマンばかりです。中には農協に委託し農業は一切やらない人もいます。宅地として高値転売したいが為、農地を農地として手放す人はいません。これが農地の集約化を妨げ大規模農業化の妨げになっています。片手間でやっている農業で国際競争力など付く訳がありません。潰れるものなら早く潰してしまえば良いのです。そうなれば農地の集約化も可能になり企業化され農業を産業として復活する事もできます。
こんな事誰でもが知っている事なのですが、それすらタブー視していては若い世代も知らないままになってしまいます。
今の日本にとって一番重要な事、それはタブー視してきた事を直視する事です。顕在化させない事にはどう改めて行けば良いかすら解りません。