BS歴史館

夕べだったっけ? 恍惚の人tanuoさんはいつだったかもう忘れています。
途中からだったのであまりよく解りませんでしたが、2.26事件についてでした。
総括として、「これを境に政治上の多様性が欠如してしまい、それが太平洋戦争へと突き進んでしまった。」と結んでいました。
全くその通りだと思います。そしてそれと同じことが今またすぐお隣の国で起こっています。共産党一党独裁という多様性の無さがこの国の危うさをより深めています。過去の他国の失敗から何も学ぶ事が出来ない哀れな国家です。
番組終盤、石原莞爾の名が出てきました。番組では「イシハラ」と呼んでいましたが正確には「イシワラ」です。
謀略により満州事変を引き起こしたとんでもないヤツ。と言うのが一般的な彼の評価となっていますが、それはあまりにも当時の状況を知らない者の一方的な評価だと言うのが識者達の意見でもあります。
彼の思想を想像するに、「ニーチェとよく似通っている。」と言うのが私の考えです。---善悪という些細な事など超越した大いなる力をもってしてでないと理想とする世界は実現しない。--- とでも言いましょうか。
続けて少数精鋭の部隊だけで何百倍もの中国軍閥達を撃破しています。戦略のみならず戦術においても類稀なる才能の持ち主であった事を窺わせます。(しかしこのおかげで「日本軍は優秀で他国の軍隊、特に中国軍など烏合の衆だ。」などという驕りが軍隊内に蔓延るようになってしまいますが。)
偉大な人と凡人の違い、それは「ずっと先を見つめながら今を生きているか、先の事など想像すら出来ず目先の事に追われながら生きているか。」の違いかと思います。凡人のtanuoさんも明日のことすら思い描けずに生きています。
石原莞爾は日米間の最終戦争に向けて五族協和により先ずアジアをひとつに纏め上げなければならない、と考えていました。その第一歩が満州国建国です。実際ここでは日本による支配ではなく文字通り五族協和が実現していました。それを足掛かりにアジア全土がひとつになり力を養わなければならない。それすら出来ずに強大な経済力、軍事力を誇る米国などと戦える訳が無いと。
当時の世間知らずの軍上層部よりもずっと冷静に世の中を見ていたのです。
2.26事件から大きく逸脱してしまいますが、石原莞爾の名が出てきたことから、ついこちらに思いが移ってしまいました。
と言うのも石原莞爾は我家にいささかの影響を与えているからなのです。
貧しい平民の出ではありますが、私の父は当時の日本軍の中でエリート集団とされる憲兵隊に所属していました。彼らは思想的にも高いインテリジェンスを身に着けていました。その父がずっと尊敬していたのが石原莞爾だったのです。戦後7年の後でさえも私の弟に完二という名を付けています。当時は莞爾という字が名前に使えなかった為に完二としたようです。ちなみに私の名は宇垣○○から取ったようです。
石原莞爾から昨年上梓された「失敗の本質」へと連想が繋がります。
我々日本人というのは、失敗にすぐ蓋をしてしまいそれに触れようとはしません。失敗をじっくりと解明することが次の失敗を犯さない知恵をもたらしてくれるのです。今の政治でも同じ跌を繰り返し踏んでいます。先日タブー視することについて述べましたが、失敗をタブー視する事が機能不全をもたらしているのかもしれません。
まあお隣の厄介な国にも同じことが言えますが。
先進国への通り道だとか言いながら平気で大気汚染をやらかしています。先進国の失敗を参考に同じ跌を踏まないようにするのがあたりまえの事なのですが。
謙虚に教えを乞えば丁寧に対処法を教えてくれるのに。自分達がノウハウを人に教えることを拒む人種だから日本人もそうだとでも思っているのでしょう。とんだお門違いです。我々日本人、そのノウハウで儲けようなどと思う人は誰一人としていません。汚染で人的被害が出る事は看過できる事ではありません。おまけに中国の大気汚染を抑える事は日本の為でもあるのですから。そう、放っておくと偏西風に乗ってこの日本も汚染されるのですから。しかしこんな常識が通らないのが彼の国。まったく厄介な国ですなあ。
火気誘導のレーザービーム照射、文民統制が取れていない証拠です。戦前の日本軍と同じ跌を踏もうとしているようで見ちゃいられません。