湯ノ山あれこれ

昨日久し振りに湯ノ山の温泉街を歩きました。
雲母峰から稲森谷を降り三滝川沿いに遡ったのですが、その稲森谷の出合に駐車場が出来ておりそこがほぼ満杯。昔ここにあった旅館が潰れ跡地を駐車場にしたのでしょうが、それだけお客さんがいるって事でしょう。温泉に宿泊しているお客さんか日帰り客かは解りませんが一時期のような閑古鳥が鳴いているって訳でもなさそうです。以前ガラガラだった旅館【蔵之助】の駐車場も最近はいつも満車。翠明館の駐車場もかなり多くの車が停まっています。湯ノ山温泉が一体となっていろんなイベントを行ないそれが功を奏して客足が戻っているのかも知れません。高度成長期のような繁栄は無理としても商売として成り立つ賑わいであれば充分だと思います。それでも多くのホテル・旅館が潰れ、縮小均衡には違いが無いのですが。
なんにしても暫く前のあの衰退は見るに偲びないものでした。バスターミナルからの急坂を登りきった所にある涙橋、あの橋の正面は今は空き地となっていますが、以前はその正面に大きなホテルの玄関があったのです。名前は【湯ノ山ホテル】だったかな? 湯ノ山温泉を象徴するかのような名前で、規模も大きくまるで小山のような大きなビルが涙橋正面に聳えていたのです。たとえ潰れても廃墟のまま放置せず大金を注ぎ込んでビルを解体し更地にしたのはその経営者の立派さゆえでしょう。廃墟のまま放置していたら景観が悪いだけでなくスラム化し治安も悪くなります。湯ノ山温泉全体の為という責任感やその方の哲学が感じられます。
とは言うものの長年その姿に触れてきた者としては寂しいものです。衰退期に入り何もかもが縮小し続けている今の日本を象徴していたようです。「そんな事言うのなら一度でも泊まってやれば良かったじゃないか。」なんて言葉が聞こえてきそうです。未だロープウェイすら乗った事が無いtanuoさんですから宿泊なんてとてもとても。
反面、日帰り温泉客はあまり増えていないようです。以前ならこの時期各日帰り温泉施設では整理券発行が当たり前でした。なのに昨日は普段と全く変わりなし。そうそう整理券発行がされる時ってスカイラインの路駐車も半端じゃありませんでした。午後4時を過ぎていても湯ノ山街道の湯ノ山行き車線はずっと渋滞し続けていました。あの時刻では着く頃にはロープウェイも営業終了してるでしょうに。
2008年の集中豪雨被害の後永らくスカイライン閉鎖が続き、昨年の開通以降は警察の執拗な路駐車監視が続いた為客足が遠のいてしまったようです。
あの常識外れの路駐も厄介には違い有りませんが、それも必要悪だったのかもしれません。規制を強めたが為に肝心の地元経済を衰退させるようでは本末転倒です。
潰れた旅館の跡地を駐車場化するのもひとつの方法でしょうがライフラインである湯ノ山街道をジャムさせずに客を呼び込む事が必要です。やはり四日市IC近くに大規模駐車場を用意し、そこでシャトルバスに乗り換える方法が得策でしょう。同時にそこでロープウェイの便も決めてしまえば運行効率も上がります。宿泊客、日帰り温泉客、ロープウェイ客全てこのシャトルバスを使って頂く。シャトルバスの料金を無料にするかどうかは渋滞による地元の損失と天秤に掛けて決めれば良いのです。


家の子供達が歩き始めて間もない頃、夏休みに御在所ロープウェイに来た事があります。2時間待ちとの事で断念し川遊びして帰りました。あの時乗っていたら「乗った事あります。」と胸を張る事ができるのでしょうが、未だ申し訳無さそうに「まだ乗った事が無いんですよ。」としか言えません。相変わらず御在所では肩身の狭いtanuoさんです。