感情? or 勘定?

一括売却でもめている【かんぽの宿】に要した費用総額が2,400億円に上るそうです。
その落札額がたったの109億円では誰だって納得できませんわなあ。まして日々切り詰めた生活を強いられている国民感情としては、それこそとんでもない事です。
いくら釈然としなくても、現在の世の中の評価がその金額ならそれを受け入れるしかありません。
まして年間50億円もの赤字を垂れ流していたんじゃ、一刻でも早く処理する方が被害が少なくなります。今売却してしまえば109億円が手元に残ります。1年後だと評価が同じだとしても59億円しか残りません。2年後だと9億円。しかし実際には評価は年々下がって行くのが現実です。おそらく2年後だと持ち出しになってしまいます。
竹中さんが言っているようにこれは不良債権です。バブル崩壊後は不良債権の額が特定できず、国からの資金注入が遅れ被害が増大しました。かんぽの宿の場合は既にそれが特定できており、その額が増えない内に一刻も早く処理する事が大切です。
感情に流されず、勘定を優先したいですね。


この釈然としない感情は、この不始末をしでかした人達へ向けるべきです。
無責任に2,400億円もの費用をかけ、価値が109億円しかないものを作ってしまった人達へです。
総務省の役割としては今ごねて被害を大きくするより、こんなバカな事の再発防止に努めることです。責任者の刑事訴追も念頭に置き、また民事面でも損害賠償訴訟を起こし私財を差し押さえてでも返却させるべきです。身包み剥いでも2,300億円にはならないでしょうが、そのことで多くの人が襟を正し、より良い社会の実現に役立つのであれば是非行って貰いたいものです。


かと思えば11年度消費増税云々の記事。財政再建の為には増税しなきゃやっていけない事は子供でもわかる。でも今はそんな事を口に出して言う時じゃないでしょ。ホントTPOをわきまえないお人ですなあ。今は国民のマインドを和らげ消費を促す事が最優先。景気回復を待って話題にするべきではありませんかねえ。こんな事をしているから定額給付金もみな預金に回ってしまうのです。全くやることがチグハグで見ちゃいられません。
大前さんが言ってますが、バブル崩壊前の日本の個人金融資産の総額は700兆円だったそうです。その後の失われた15年といわれる時期も増え続け今や1500兆円に達しているそうです。マスコミが率先して不景気感を煽り、国民全てがそれを信じた結果、資産が倍以上に増えてしまった。という事です。あくまでもマクロ的な結果ですが、不景気の時に資産が増えた事なぞ世界中どこを調べてもそんな例は出てきません。不景気と言いながらも実はそうでもなかった。と言うのが実情のようです。
そして皆が皆「いざという時の為に。」を合言葉に貯蓄に走り、日本人の死ぬ時に残す資産が平均3500万円、なんて異常な状態になってしまったのです。
それほどまでにマインドというものは厄介なものなのです。今は国の指導者が率先して経済活性化の為に消費を促す時です。気持ちが後ろ向きになるような、増税なんて言葉は使う時ではありません。言わなくても全ての国民には解かっている事です。つくづく日本にはリーダーシップのある政治家は居ないのだなあとがっかりしちゃいます。