ちょっと大府まで

風呂上りに雑用を済ませていたらT哉が帰ってきた。
「ただいま。」
「お帰り、今日は早いね。」
「うん、高速で2時間。でも東名は走り難い。」
「車が多いからなあ、渋滞してなかった?」
音羽と豊田でね。」
毎度お馴染みの渋滞箇所である。
「ゴーグルあった?」
「知らん。自分の物は自分で管理しろ。」
そういえば、スキーに行くと言ってたな。それで早いのか。新しいゴーグルを探しといてって言われていたのだった。
そしてそれからが大騒ぎである。先週の私同様ウエアや道具の家捜し。新しく新調したゴーグルが無いと騒いでいる。そしてウエアのパンツにほころびを発見し、また大騒ぎ。S司に貸していた物らしく、「ほつけたら縫っとけよな。」とブツブツ言っている。S司にそんな事期待する事自体間違っている。そんな事できる子なら今頃こんな所にいない。結局そのまま持って行く事にしたらしい。
最近とみに太り気味でウエアが着れるかどうか心配していたようだがなんとかセーフ。でもゲレンデでケツがパンクしてもしらんぞ〜。
そして最期の探し物、お気に入りのゴーグルは見つからず、昔のスワンのゴーグルを持って行った。物さえ選ばなければ家にはなんでもいっぱいあるのである。ウエアのパンツだってお父のが2つある。「えっ?俺より腹が出てるって?」まさか!
大府の友人宅に集合との事で送って行けと言う。わしゃもうパジャマに着替えてしまったのに。運の悪い事にかみさんは【ご近所奥様会議】で飲みに行っている。S司は12時前でないと帰って来ない。
「もう飲んでるの?」
「いや、大丈夫。」
炬燵むりしてT哉を待つ。飯を食い、風呂に入りとえらくごゆっくりである。わしゃもう眠くなってきた。年寄りは直ぐ眠くなるのである。
ちっとも出かける様子がないので声をかけると、PCで何か調べている。
「あっ、もう行く?」行くのはおまえだろ。
出掛けに丁度かみさんが帰ってきた。ついでにカルのガソリンも入れて来いと言う。なんだか厭な予感。
大府までT哉を送り、帰りに給油。やはりガソリン代を踏み倒されてしまった。給料日早々樋口一葉さんがひとり消えてしまった。
T哉の道具にスキー板は無かった。代わりに幅の広い一枚の板があった。
「この裏切り者め。」と出てくる言葉を呑み込む。あんなに手を掛けお金を掛けたのにスキーはもう辞めてしまったようだ。まっしょうがないね〜。
そして今しがた帰って来た。外に出たついでにワカンを倉庫から出しておこう。明日は久しぶりに必要になるかもしれない。
あっ、もう12時。いかん、早う寝よっと。