白馬飯店

今日の中日新聞夕刊に取上げられていた。記事にするからには、あまり批判染みた事は書く訳にはいかないのだろうが、それでもあれだけ褒めちぎられると、「本当にそこまで言うほどの味か?」と言いたくなる。本当に我ながら恥ずかしくなるほどの【へそ曲がり】である。ヘソを曲げておきながらも、実は我家も八方の帰りには必ず寄っていたのである。格別お値打ちって訳ではないが、高すぎるゲレ食に麻痺した価格感度では、なんだかとてもリーズナブルに感じてしまうのである。ゲレ食価格を考慮した価格設定は、オーナーの卓越した商才を感じさせる。と言っても地元のお客さんもいる訳で、格別高いと言う訳でもない。…一体どっちやねん。
中華料理はスキー帰りの、ゲレ食にうんざりした味覚と空腹を解消するには最適である。色々な味が楽しめてお腹にもずっしり堪える。帰宅まで約4時間の高速ドライブのエネルギー源には充分の腹持ちである。
「和食は目(色の艶やかさ)で食べる。洋食は鼻(スパイスの香り)で食べる。味で食べるのは中華料理だけだ。」なんて言ってた人もいるが、素材の豊富さは私も認める。いろんなものを少しづつ楽しむには中華が最適である。但し中華餡を遣ったものばかり頼むと皆同じ味になってしまい飽きてしまうが。
自動車以外の四足、飛行機以外の空を飛ぶもの全てを食材としているのだから豊富な筈だ。逆に言うと貧しいから口に入る物なら何でも食べた。と言うのが実際のところだろう。まさに中国四千年、豊かさと貧しさがごちゃ混ぜの食文化である。
うちの場合だと一家4人で5-6品を単品で頼み、全員で分け合う。少量多品種を味わうのが中華の食べ方である。その中でもいつも欠かさず頂いているのが坦々麺、青椒肉牛絲、回鍋肉。ここの坦々麺はいつも頂いていたので味は解かっている。まあ旨い方だが、特別旨いというほどではない。記事によるとべた褒めである。「本当にこの記者、味が解かってるのかな?」とつい余計な事を考えてしまう。記事にするからには全責任を負うつもりで書いてんでしょ。ちゃんと責任負って下さいよ。でなきゃお店ににも失礼でしょ。
これだけ食べても5千円ほど。お昼のゲレ食でもひとり千円ほど。やっぱり比べてしまいますなあ。比べてしまうとやっぱりお廉い!
前夜発日帰りで八方の場合はお決まりのコースで白馬飯店に寄っていたが、3連泊以上の場合は寄らなかった。岩岳の【かどや】が定宿になっており、栂池、岩岳、八方、五竜遠見と毎日ゲレンデを変えていた。大抵初日は奥の栂池から。そして順に南下し最終日は五竜かサンアルピナ鹿島槍。なのでわざわざ八方まで戻る事はなかった。
連泊コースの場合、お金を使い果たしてレストランで食べる事が出来ず、コンビニでオニギリやパンそれにペットボトルのお茶を調達し、糊口を癒やしながらのロングドライブって事もあった。しみったれながらも遊びにだけは湯水の如くお金を使っていたのである。
人は我々一家の事を【キリギリス】と呼ぶ。