テレビって面白い。

かみさんが点けっぱなしにして行ってしまったダイニングのテレビ、消す前にBSに切り替えるとまたまた興味深い番組。
見ていると嘗てニュースステーションに出ていたお姉さんが現れました。あれ? これって先日見た生麦事件からその後の日本の動きをひもといていた、あの番組です。
そのまま終わるまで画面に釘付け。今日は伊能忠敬と日本地図でした。最後の方で解説者達も述べていましたが、これこそが男のロマンでしょう。金にならない事を好き好んでやる。やる事自体が楽しくて仕方がない。スケジュール達成の為には寸暇を惜しんでそれに励む。楽しい事に没頭するのだから肉体的な苦痛など全く気にならない。
忠敬自身は天命と言っていたようですが、まさしくその通りだと思います。
たとえ天命でなく生活の糧を得る為の職業にしても楽しまなければ勿体ないと思います。楽しみながらやれるから工夫もできるし飽きずに続けられるのです。それが出来ない、相性の悪い職に就いた人ほど不幸な事はないでしょう。
いやどんなに相性が悪くてもどこかに面白みは隠れているもの。それを見つける事が処世術なのかもしれません。
おっとっと〜、また脱線。
伊能忠敬のこの壮大な事業、以前NHK地上波放送でも取り上げられていました。この背景には江戸時代の算学ブームがありました。読み書き算盤、庶民の子供でさえ寺子屋通いが出来るほどこの頃は文化的でした。算盤の普及により煩わしい計算から逃れられた為、【生活の為の最低限の知識】という領域から大きく離れ算学(数学)が発達します。幾何学三角関数など現在の高校生並みかそれ以上の数学が教養として嗜まれ、また一部の人達は算学の武者修行、道場破りなども日本中津々浦々まで広がっていたとか。そんな時代背景の上に「隠居後は好きな天文学を心ゆくまでやりたい。」という伊能忠敬の思いが形作られて行ったのでしょう。地球の大きさを測りたいが為の測量からいつしか日本の海岸線全ての測量へと移り変わってゆきます。それには周りの、特に幕府の対外的な危機感からの思惑も絡み、時代がそうさせて行きます。
幕府の最重要機密事項でありながら海外へ幾度か流出してしまいます。しかし結果的にはそれが列強の日本に対する見方を大きく変える事に繋がったとも言えるそうです。
「我々と同様、いやそれ以上の知識や技術を持っている日本という国は容易に植民地化する事は難しい。それより貿易相手国とする方がお互いのメリットが大きくなる。」こう諸外国に思わしめた理由のひとつが伊能忠敬の地図だとの事です。
当時の江戸では女子供までが街中で本を読んだりしていたそうです。当時は欧州でも女性までが読書をする事は珍しく、まして街中でまでというのは絶対にありえなかったとか。そりゃあ外人さん達度肝を抜かれた事でしょうよ。
まあこの辺りの話は今日の番組ではやらなかったのですが、それでもとても面白かったです。いやあ、テレビってほんと面白いものですね。一億総白痴化なんて言われて久しいTVですがこんな面白いものならいくらでも白痴になってやる。なんちゃって。