糟糠の妻

昼休み、Netのニューズを見ていたら衝撃的なものがありました。
事件自体は既に過去のもので裁判の様子を伝えたものでした。
生活苦から心中を決意した老夫婦が死に場所を求めて出かけましたが、奥さんが最後にその地の温泉旅館に泊まりたかったとつぶやいたそうです。
苦労をかけてきた妻の最後の願いを適えようと犯行を犯し、自分は逮捕され奥さんは車の中で自殺しているのが見つかったとの事。
もし自分が同じ立場だったら、と思うと身につまされなんとも重苦しい気持ちになってしまいました。
犯行を是認することは出来ませんが、長年連れ添った愛しい人を喜ばせたい一心で我を忘れてしまったのでしょう。
凶行は犯したものの思いを達する事は適わず、最愛の人をひとり寂しく旅立たせてしまった事にどれほどの悔恨の念を抱いたことか。


重苦しい気分に襲われ、この事がなかなか頭から離れません。
これは決して他人事ではありません。少子高齢化が進む現在、子の居ない老夫婦だけの家庭は珍しい事ではありません。生活保護を受けていたそうですが負債の為食事も満足に摂れない状況だったそうです。きっとこの夫妻は人に迷惑をかけられないとの思いから借金返済を続けていたのでしょう。そんな正直者だからこそ追い詰められ、結果的には凶行という形で他人に迷惑をかけてしまったのです。
昨今の生活保護不正受給のニューズもこの人達を追い詰めていたのかもしれません。不正受給する人達の存在が本当に必要としている人達を追い詰める事になっているのです。
我家だってどうなるか解かりません。何かの事故で子供達が働けなくなる可能性だって有り得るのですから。


昨日出社時カカバスの中でかみさんが「シュシュのケーキ、美味しかったねえ。また食べたいねえ。」
週末に持ち帰った誕生ケーキはその日の内に無くなっており、暗に買って来いと言っているのです。
「そのうちにね。」と言いながらもその日の帰りにモンシュシュに寄る私には前述の旦那さんの気持ちが痛いほど解かります。同じ立場なら私もきっと…。