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とうとう1年が経ちました。
一向に進まない政府主導の復興支援、それとは裏腹に逸早く動いていた民間からの支援。
こうしてみると政府なんて本当に必要なものなのか大きな疑問がわいてきます。
何も出来ない政府なんて無くてもよいのではないか?いや有るが故に周りからの支援が妨げられているのかも知れません。各地方の自治体が独自に行政を行えれば、それぞれが出来る範囲でもっと迅速な対応が取れたのではないでしょうか。その最たるものが最小単位である個人。ボランティアとして支援に参加していた個人の多さがそれを証明しているように思えます。


一昨日興味深い記事を見ました。
「ロシア大統領にプーチン氏が返り咲き、北方領土問題になんらかの進展があるのではないか。」との世の中の憶測に釘を刺すようなものでした。その中で語られていた事です。
我々日本人はロシアは強大な国だと思っています。デカイくせになんで日本のようなチッポケな国に対し、火事場泥棒のようにして大戦後にせしめた北方四島を返さないんだろう。だからロシアは汚い、信用ならぬ輩だ。と思っている訳です。
しかしそこで語られていた客観的事実では、現在のロシアの経済規模は日本の3.5分の1しかないとの事です。広大な国土といっても極寒の地ばかり。そんな中で掠め取ったとは言え南に位置する四島は貴重な産業基盤である訳です。地下資源が豊富であるが故に【資源の呪い】に囚われ、未だ工業化が進まないロシアとしては今後の成長のロードマップなぞ描く事すら出来ません。そんな状況で貴重な四島を返すなんて無理な話です。
日本こそ我々の3.5倍もの経済規模がありながら、我々にとって貴重な四島をなぜ返せ返せと言うのだろう。と思っている筈です。
ロシアの側に立ってみるとこのようなロジックに帰結する訳です。


そこで今度は政府の立場を離れ、そこで生活を営んでいる住民の立場になってみるとどんな未来像が描けるか。
一番大切なのは、生活者にとって最も幸せなのはどうあるべきか。という事です。
不便な生活を改善するにもロシア政府にはインフラ整備に回すお金がありません。返還されれば自分達は追い出されるのではないか? それならたとえ不便でも追い出されないで居られる方がマシだ。だから返還には反対。と思うのが当然です。
3.11以降の様子を見ていると、たとえ四島が日本に返還されても日本政府がそこのインフラに梃入れ出来るとは思えません。北方領土返還を唱えているのは、旧島民達と国家のメンツに囚われている人達だけなのではないでしょうか。その旧島民にしても世代が変わり、その地に想い出のある人々もかなり少なくなっています。
政府間のメンツ争いで一時期行われていたビザなし渡航も途絶えています。双方の政府が全く介入しない状態で民間だけでの交流が進めば双方の生活者にとってWin Winの成果に繋がるのではないでしょうか?
3.11以降の日本政府の無能ぶりにふとこんな事が頭に浮かんだ訳です。
何も出来ない政府なぞいらない。政府抜きで当事者同士でどうして行くべきか決めれば良い。その為にも地方自治を進める。中央集権は封建主義、帝国主義から生まれたものです。主権在民ならば地方あるいは個人への権限委譲も進めるべきではないでしょうか。
宗男さんが進めていたのはこういったアプローチだったのかな? なんて思っている次第です。