中古デジカメ

眼科検診の後、かみさんに言い遣った雑務を済ませる。皆より一日早く冬休みに突入だ。
そのついでに中古デジカメを受け取ってきた。ネットで5,800円で出てたものだ。
OLYMPUS CAMEDIA C-730UZ 5年ほど前の名機だ。末尾のUZは Ultra Zoomの略であり、当時このクラスで10倍ズーム一体型なんて誰も思いつかなかった個性派である。

手にしてみると随分でかい。Caplioのすっきりした形状と比べずんぐりしていて野暮ったい。しかし前面レンズの径のでかさは往年のカメラメーカーのスタイルを彷彿とさせる。そしてPCへの依存度が低くカメラだけで何もかも済ませてしまおうという姿勢もいかにもカメラメーカーらしい。(といっても実際は総合光学メーカーであり、ニコン、キャノンなどと同様半導体製造機器も生業としているのである。)
昔はハーフサイズ(35mmフィルムを使い、その半分の面積に1コマを焼き付けるカメラ。当然撮影枚数は35mmカメラの2倍となる。ただその分引伸ばしに弱みが出る。)に特化し、ハーフサイズの一眼レフ(OLYMPUS Pen FT)も作っていた、個性的なメーカーである。
当時の老舗の旭光学(Pentaxの名は今も継承されている。)がHOYAに吸収されてしまった事を思うと世の中の浮沈を感じる。
銀塩からデジカメへの移行に乗り遅れたところ、デジタル技術の進行の速さについて行けなかったところ、開発効率が悪く費用負担に絶えられなかったところなどがその憂き目にあっている。【メカ】の文化と【エレ】の文化の違いに馴染めなかったのかもしれない。
海外でも、コダック然りポラロイド然りである。
そんな中で富士フィルムの先見性には驚かされた。社名が示す通り、元々カメラそのものより銀塩写真関連の全領域を市場としていた総合メーカーである。フィルム、現像用薬液、印画紙、暗室用品、ミニラボ用自動プリンター、ミニラボのチェーン展開と、二次市場三次市場までも開拓していたのである。そして主な収益はそれらのサプライ用品から上げていたのである。普通なら現状の収益源にしがみつき、やがてはその市場の消滅とともに世の中から姿を消してゆくのが一般的である。現にコダックなどはその道を歩みかけていた。
最も重要な収益源に見切りをつけ、他社にさきがけ次代の産業とその市場を開拓してゆく様は、我々傍観者の目にも理想像そのものであった。
結局このデジタル化へ取り組みの早やさによって、常に後塵を拝していたコダックを、追い越し追い抜く事になったのである。
以前はカメラそのものも作ってはいたがシェアも小さく業務用大版カメラなどのニッチ市場にいた程度である。カメラの製造販売は、本来の目的であるサプライ用品を売る為のひとつの手段に過ぎなかったのだ。
それが今やデジ一の市場でニコン、キャノンと比肩するほどになっている。そして業務用、学術用の銀塩市場も相変わらず牛耳っているのである。サクラ(小西六)が波に乗りそこね自滅しただけの話だが。
一眼レフにオートフォーカスを初めて搭載し(αナントカ)一世を風靡したミノルタも開発競争に付いて行けず、これまた負け組みのヤシカと合併したそうだし。合従連衡はもう暫く続くのかな。あっ結局それもソニーが買ったんだっけ。ソニーももう昔の輝きは無くなってしまった。井深大盛田昭夫大賀典雄で終焉を迎えてしまった。あのソニーでさえ時代の波に乗りそこねてしまった。
本当に世の中どう変わるか解らない。


話が脱線してしまったが、10倍ズームのこのカメラが中古価格で5,800円。良い世の中になったものだ。
USBケーブルが付いてなかったが、Caplio付属のケーブルでOKだった。おまけソフトのCDも無かったがソフトなしでもXPが外部フォルダーと認識しPC内のフォルダーにコピーできた。
メモリも付いてなかったがFinePixで使用していたスマメ32MBが使える。後はバッテリーだけ。これもFinepixで遣っていたニッケル水素があるが余りの長期の過放電で使えるかどうか? 今一所懸命充電中。買い置きのアルカリ電池があるので暫くはこれで済まそう。
予備のカメラが準備できたところでCaplioを修理に出そう。ネットで修理予約しておいた。
何もかもネット、ネット。ネット無しじゃ夜も明けん。
世の中に、蜘蛛ほど便利な物は無い、ネットネットと夜もネットれん。


参考に10倍ズームの威力を御覧あれ!
Wide側

Tele側