独立採算化の波?

S司の学校から私宛に封書が届いていた。
「何かいな〜?」開けてみると感謝状である。
「この年になって学校からこんなものを頂くなんて。」なんとは無しに嬉しいものである。
何に対しての? と添付の書類を見ると、寄付へのお礼。感謝状には【多額の寄付を云々】の記述。





実はこれたったの1万円。かみさんがお付合い程度に振込んだものらしいが、またご丁寧な事である。
国からの補助金が段階的に削減され各大学ともに独立採算制を強いられている。生き残っていく為に民間企業とタイアップを試みたり、私立も含め他校との統合を模索したりといかにも大変そう。
今後ますます少子化に向かい、企業に例えるなら市場の縮小に向かっているのである。顧客数が減るのならパーヘッド当りの売上を増やす努力が必要でそうするにはお金の取れる商品(教育)を用意しなければならない。ベビーブーム期に数多に乱立してしまった私立校も含め過当競争に追いやられている現状では、目に見える魅力的な商品で差別化を図らなければたとえ歴史のある大学でも生き残る事は難しい。まして国立という既得権の上にあぐらをかいていた大学では尚更だろう。
そんな中で最も手っ取り早いのが寄付のおねだりなのだろう。老舗大学の卒業生の中には社会的地位の高い方も多く学閥となっている事も多い。そういった人達からは高額な寄付が期待できる。ただ毎年おねだりできるわけでもないので一過性と見ておくべきだろう。
ドラッカーの著述に、「教育者もその成果(学生の学力向上)に責任を持たなければならない。」というものがあった。「学生が勉強しない、学力がつかないのは教育する側の責任である云々。」難しい事ではあるがプロの教育者としての自覚を持て。という事か。
ニートもどきの学生達に対し、その成果に責任を持たなきゃならないなんて、先生も大変だなあ。ましてその結果が大学の存続を左右するともなれば…。
自分の好きな研究に没頭するだけでよかった時代はもう過去のものか。先生達自殺しなきゃあ良いが…。