懐メロ

これも死語かな?
我々の青春の頃、中年オヤジが懐かしみながら聴いていたメロディー、懐かしのメロディー、略して【懐メロ】。
その我々が、今や若者達に疎まれる中年オヤジとなってしまった。
我々の若い頃は長幼の序をわきまえ、オヤジ達が感慨に浸っている古めかしいメロディーにもなにかしらの哀愁を感じ、その古い文化にも寛容さを示す事ができた。
しかし今の若者達にそんな心の余裕はあるだろうか。子供達の聴いている音楽を耳にすると、お互い相容れる余地など全く無いように感じる。こちらが昔の曲の鼻歌などを口ずさんでいると「なに?それ。歌?」とまるでミュージックとは別物としか思えないようである。反対にこちらが子供達の好きな曲を聴かされても雑音としか感じられないのである。
ジェネレーション・ギャップもここまで開くと自分だけが周りから取り残されているように思えてくる。自分の感性そのものが世の中には通用しなくなっているのではないか?と不安さえ感じるのである。


そんな昨今、昔懐かしいメロディーをよく耳にする。
暫く前には車の宣伝だったか、ジリオラ・チンクエッティの【La pioggia】(雨)をよく耳にした。
そしてつい昨日は【Sugar Town】を耳にした。
歌い出しだけで終わってしまい、Sugar Townの言葉は出てこない。そしてSoft Bankの携帯電話の宣伝となるのである。
I got some troubles but they wouldn't last
I'm gonna lay right down here in the grass
And pretty soon all my troubles will pass
'cause I'm in shoo-shoo-shoo, shoo-shoo-shoo
Shoo-shoo, shoo-shoo, shoo-shoo
で終わりその後の
Sugar Town
は出てこないのである。それでも我々の年代には充分に解かるのである。
歌っていたナンシー・シナトラはF・シナトラの娘である。F・シナトラを懐かしがるのは我々より2世代古い人達なのである。もう半分はお亡くなりになっている世代である。次は我々の番かあ〜。
ナンシー・シナトラというと【Summer Wine】を連想する。
Strawberries, cherries and an angel's kiss in spring
My summer wine is really made from all these things…
この頃流行っていた曲というと、リン・アンダースンの【Rose Garden】が思い浮かぶ。
I beg your pardon I never promised you a rose garden
along with the sunshine there's gotta be a little rain sometime…
カントリーの曲である。因みにその頃流行っていた菅原洋一の【知りたくないの】もカントリーのメロディーなのである。この頃はカントリーが流行っていたように思う。
前出のジリオラ・チンクエッティーはその少し後の時代となる。包み込むような優しい歌声はとても17-8歳の少女とは思えなかった。


こういった中高年の心をくすぐる曲を宣伝に使うのは、金余り中高年の購買力にターゲットを絞った戦略である。
残念ながら私自身は購買力のかけらも無いが、同じメンタリティーを共有する同世代の方々は良いお客様になることでしょう。
まるビの私は宣伝だけを楽しませて頂きます。
そういえば【Soft Bank】の孫さんもよく似た世代ですなあ。日本人以上に日本人的なメンタリティーを持った方です。
と同時に価格破壊の急先鋒。今のADSLの低料金は孫さんのおかげです。日本ボーダフォンを買い取り携帯電話にも参入、そしてここでも価格破壊をしてくれる筈だったのに、いろんな所からの圧力に押さえ込まれてしまったような状況。
価格破壊で最も恩恵を受ける筈のユーザーからも反対されたかのようです。こういった人達って本当におめでたいですね。わざわざ搾取している側の既存のキャリアーと一緒になって反対しているのですから。
誰のためにリスクを負ってまで価格破壊を進めているのか。かつての日本人全てが持っていた【滅私奉公】の精神。これに則って起業している人って今は殆どいません。その数少ないひとりが孫さんだと思っています。
孫さんも自社コマーシャルの歌に合わせ鼻歌を歌っているのでしょう。
'cause I'm in shoo-shoo-shoo, shoo-shoo-shoo
Shoo-shoo, shoo-shoo, shoo-shoo
Sugar Town