冷却系統のトラブル

よくあるトラブルとしてはラジエターホースの劣化、サーモスタット故障。
ラジエターホースはエンジンのウォータージャケットとラジエターを繋いでいるゴム製のホースです。古くなるとこのホースが劣化しひび割れや破裂を起こします。ボンネットのある車なら目に見える場所にあるため時々目視でチェックしていれば大事には至りません。
劣化してくるとホースが膨らんでくるので解ります。但し「まだ良い。」と先延ばししていると思わぬ時に破裂、最悪「エンジン焼きつき」って事になりかねません。
実は、私これをやらかしているのです。
Friendee君7年目くらいの時かな?事前に解っていたのですが、「まだ良い。もう直ぐ車検だからその時にしよう。」と勝手にたかをくくっていたのです。
たまたまスキーに出かけその帰りです。上り坂を軽快に走っていたらいきなり「プシュー。」と言う音と伴に白煙(水蒸気)がもうもうと。路肩に止め外に出ると異臭が鼻をつく。助手席を上げエンジンを覗くが特に異常は見受けられない。運転席に戻ると水温計が異常に上がっている。その瞬間、原因が頭に浮かぶ。車の下を除くとLLCが垂れている様子はない。リザーブタンクにもLLCが残っており、とりあえずは漏れは止まっているようだ。エンジン過負荷で冷却液の温度が上がり一定の圧力を越えるとホースのひび割れから蒸気が噴出すのだろう。
暫くアイドリングでエンジン(冷却液)を冷ます。適温まで下がった所でなるべく負荷をかけないようにトロトロと走りガソリンスタンドを探す。
スタンドで診てもらい減った分だけ水を補給する。その後は過負荷とならないよう細心の注意を払いながらなんとか家まで辿り付く。翌日修理屋さんへ。
ホース交換とLLC交換でOKと思いきや、1週間後また同じ症状。再度持込むと今度は別の所のホースが破裂との事。なんでもFriendee君はエンジンが座席の下でラジエターまでの距離も遠いし、暖房その他であちこちいっぱいホースがあるとか。悪そうなところ全て交換してもらいまたまたLLCも補充。変なところでケチったばかりにとんだ散財をすることになってしまった。
目で見えるものは早めに交換しておく方が結果的には安全かつ経済的です。


サーモスタットの故障もよく起こりますが、こちらは故障モードがオープンになる側なので、いつまで経ってもエンジンが温まらない方向です。当然暖房も効きません。どういう訳か冬場スキーに行った時によく起こります。
寒いのを我慢するのも大変ですがエンジンが焼きつくことはないので、車には優しい故障でしょう。


そういえば厭な事を思い出しました。
タウンエースに乗っていた頃の事です。これもスキー場での事。帰る時にバックで通路に出るのが面倒で、雪の塊を踏み越えて前の通路に出た時です。「ガツン。」という音と衝撃。降りてみると雪の中に鉄パイプ製の工事用車止めが。それを踏み潰していました。そのまま乗り越え暫く降ったところで急に水温が上がり出す。後を見るとLLCを撒き散らしながら走っていたようだ。
その後は麓の修理工場までソロリソロリと転がしながら降りて行った。焼き付きを覚悟していたが幸いそこまでは行かなかったようだ。
仲間と複数台でつるんで来ていたので、車を預けた後は他の車に分乗し帰宅した。(定員オーバーもあったかな)
車止めを踏み潰した時にラジエターの下のタンクを破いたらしい。こんな所にアンダーガードが無い車なんて…。と文句を言っても後の祭り。
この時は修理完了後かみさんに取りに行って貰ったんだなあ。木曽福島までJR、そこから三岳村まで御岳交通の路線バスで。
人生長いことやっているといろんな事があります。今でこそ笑い話ですが。


そこで、皆さんへの提言。
車の冷却系統は場合によっては致命的な故障となります。少しのお金の節約の為に大きなリスクを抱え込むのは危険です。早め早めの部品交換と障害物が見えないところへは入り込まないようにしましょう。リスク回避第一で行きましょう。