今日は雨とか。目覚めた時は未だ降っていなかった。じゃあ、朝の内にAuちゃんのタイヤ交換でもしておこう。
おもむろに起き出し、昨日の行動食の残りのパンで腹ごしらえ。新聞に目を通し、トイレを済ませる。さあそれでは、っと外へ出ると、しとしとと降りだしていた。
小雨程度だが冷たいし鬱陶しいのであっさりと中止。
確かに冬タイヤに交換するのはまだ早いと言えば早いのだが、Auちゃんは滅多に乗らないし乗っても近場だけでタイヤの磨耗も気にする事はない。それよりいずれやらなければならないなら早めに済ませておきたかっただけ。付け替えたらエアチェックもしなきゃならないし。
カルちゃんは既に交換済みだがリアの荷室に夏タイヤを入れたまま入院中。スズキさんからはその後連絡はない。代車のシボレーがすこぶる調子が良いので退院は遅くても気にならない。なんたって燃費が滅茶苦茶良いのだ。昨日満タンにしたので出来ればもう暫く使ってからお返ししたい。
でも来週辺りの御在所通勤はカルちゃんが恋しい。ぼちぼち雪が降る頃だから。
4WD＋4輪スタッドレスになってからチェーンって巻いた記憶がない。数えてみると巻かなくなって早17年が過ぎた事になる。滅多にスキーにも行かなくなったのに、冬場は冬タイヤを履きっぱなしという生活をずっと続けている。如何に惰性で生きているかがこんなところにも現れている。
昔の車はFRばかりだった。スノータイヤもグリップの限界が低く、ちょっとした登りで停まってしまうともう登る事ができなかった。そうなるとチェーンを巻くしかない。スノータイヤのメリットなんて殆どなく皆夏タイヤで何処でも出かけていた。
チェーンも巻き慣れており、ものの5分もあれば充分なのだが、それでも面倒な事に変わりはない。出来れば巻かずに済ませたい。誰もがそう思っていた。だからトランクに重りになる物を入れていたり、複数名が乗っていれば運転者以外全員がリヤバンパーに足をかけトランクに掴まって後輪（駆動輪）にトラクションをかけて登ったりしていた。
渋滞していれば登り坂で停まるバカはおらず、下で待機しているのが常識となっていた。チェーンを付けていても待機中の車を追越して行くような横着者はいなかった。
チェーンは巻きたくはないが、巻くタイミングも皆わきまえていた。路面状況を確認する為わざと小刻みに左右にハンドルをきり滑り具合を確かめたりもしていた。
チェーンは一度巻いてしまえば強力です。どんなところでも走破できます。但し亀さんにさえならなければ。駆動は強力ですがステアリング（前輪）は非力です。左前にチェーンを巻くと良いとよく言われていましたが実際にやっているのは見たことがありません。その前に前進不可の亀さんになる方が早かったような…。
ステアリングが効かないので下りカーブで下手にブレーキなぞかけようものなら直進のまま突っ込んでしまう事もしばしば。
大きくハンドルを切ってもタイヤは横を向いたまま直進してしまいます。こうなるとまるでパワステ（当時はパワステ自体も少なかった）のようにハンドルが軽くなるのですぐ解ります。
こんなところからソーイングが多用されました。のこぎりの刃のように細かくステアをきっては戻しきっては戻し、をすばやく連続しながら大きなカーブを曲がっていく方法です。ラリーなどで泥濘地でもよく使われますね。
基本的にラダーチェーンは簡単に横滑りします。ステアをきった時に後輪を横滑りさせ、直ぐ戻す事で小さくカウンターをあて横滑りを止める。この動作を小刻みに連続させることで少しづつ曲がって行くというものです。
今の若い人達はこんな方法も知らないでしょうし、とても難しい事のように思われるかもしれませんが到って簡単でお爺ちゃんお婆ちゃんでもやっていました。
今は4WDが一般化し、FR＋チェーンなんて滅多に見かけません。FR＋チェーンでは「滑らせて曲がる。」のが常識。4WD＋4輪スタッドレスでは「オン ザ レール」が常識。乗り方も全く違います。
しかし自然は時として「オン ザ レール」が通用しないシチュエーションを与えてくれます。
こんな時の為にも車が滑る感覚を身に付けておいた方が良いと思います。
（とかなんとか言いながら今の私、滑らせて走れるかな？）
雪道では「急」の付く動作を避ける。とよく言われます。間違ってはいませんが場合によっては急な動作と急な戻しも必要です。
先程のソーイングもこれに属します。また氷化した轍から抜けるのも惰性を付けて思いっきり急ハンドルを切らないと抜け出せません。片側一車線、対向道路ってよく轍が3本になります。真ん中の1本をそれぞれが共用しています。当然すれ違いなぞ出来ずそのまま行けばオフセット衝突です。急の付かないハンドルさばきでは絶対に轍から抜け出せません。
4WD＋4輪スタッドレスのおかげで運転も楽になり誰でもが容易に雪道走行が出来るようになりました。しかしちょっと天候が崩れるだけでこの最強の組み合わせが全く無力になる事も知っていてください。やはり保険の為チェーンは必要です。私だって17年間チェーンは巻いていないもののいつも携行はしていました。18年目にして必要になる場合だって充分ありえます。
タイヤ交換からとんだ脱線をしちゃいました。
