クチナシの花

もうこの花の時期ですが、今年はまだこの強烈な香りをかいでいません。
一本くらい残しておいても良かったかなあ。香りのきつさからトイレの(芳香剤の)匂いというイメージが強く庭師さんに残さなくて良いと言ってしまったのでした。
しかし日々痩せ細って行くかみさんを見るとこの歌謡曲のメロディーがつい頭に浮かんでしまいます。そしてあの強烈な香りがつい懐かしく感じられます。人間とはホント身勝手なものです。


土曜日はチョボラの後、アクアの3ヶ月点検とちょっとしたリコールでディーラーへ。1時間ほどで済みましたが、待っている時にかみさんからEメール。
来るかどうか聞いてきたのですが暗に来て欲しいって言っているのです。日が長いのでまだ早い時刻のように感じられますが既に夕方6時を大きく回っています。持って行くものを準備し出かけます。


相変わらず食欲が無く身体も痩せ細り自力でベッドから起き上がるのも大仕事です。トイレでのパンツの上げ下ろしも不自由しているようで行く度に【粗相パンツ】【粗相パジャマ】を持ち帰っています。トイレ付きの個室だからまだ良いのですが、この状況では大部屋に移る事は無理でしょう。
もう一週間も風呂に入れず頭だけでも洗いたいと言います。車椅子で洗面所に移動し床屋風にうつむきで洗髪します。美容院の店員さんを真似て「奥様、痒いところはございませんか?」「もっと全体的にゴシゴシやって。」「かしこまりました。これぐらいでいかがでしょうか。」「うん、そうそう。」
「こっち(点滴の針が刺さっている所)は濡らさないでっていってるでしょ。」「んな事言ったって…。」「ほらまた濡らした。もう嫌だあ。」
些細な事でも普段とは違い大騒動です。
最後はドライヤーで乾かし「あ〜、生き返った〜。」「こんなんなら毎日でも生き返れるぜ。」意気揚々と病室に引揚げます。
そして明日はお風呂に入りたいと言います。家では手伝ってやると言っても頑なに拒んでいたのに。胸の傷跡を見られるのが嫌だったのでしょうが、自分では何も出来ない今の状況からとうとう諦めがついたようです。
そして翌日曜日、朝9:00から入浴です。と言ってもシャワーだけで精一杯ですが。
点滴の所為か腕から手と膝下がパンパンにむくんでいますが身体はガリガリです。もともと細い事は細かったのですが背骨や鎖骨がもろに浮き出た姿に涙が出てきそうです。筋力が無い為立っている事も座っている事も大儀なようで早く済ませるよう何度も急かされます。初めての事なのでこちらも要領が悪くつい無駄に時間がかかってしまいます。それが余程辛くまた歯痒いようでつい大声、泣き声になってしまいます。
大騒動の後やっと病室へ。昨日に引き続き今日も頭を洗い「生まれ変わったよう。」なのだそうです。今日も頭をゴシゴシやりましたが昨日だけでは頭の痒さは良くならなかったようです。
手の指もむくんだままだし指輪なんて付けない人ですが、「今では指輪も回るほど、痩せてやつれた…」「わがまま言っては困らせた、子供みたいな…」
こんな歌詞がつい頭に浮かびます。花言葉は「幸福」とか「清潔」。また幸せなYちゃんに戻る事ができるのでしょうか