蓼食う虫も好きずき

There is no accounting for taste. 
未だにしょうも無い事を覚えているものです。高校時代はよほど抑圧されていたようですね。


もう30年以上前になるのでしょうか、夏合宿を終え高山の町に降りてきた時の事です。
JRの切符を買い、乗車までの時間つぶしを兼ねて駅近くの食堂で早めの夕飯。
そこのテレビで初めて渡辺真知子さんを見ました。その年に「かもめが翔んだ日」がヒットし、芸能オンチのこの私でも車のラジオでその曲をよく耳にしていました。
「この人が歌っていたのか。」と思いながら見るTVの画面の中で渡辺真知子さんは凄く輝いていました。その輝きに魅せられて一目惚れ、まるで天女のように美しく見えたのでした。
その想いはその後もずっと続いていました。いえ、目にしたのはその時だけなのですがその印象が強すぎて。
季節が流れその年の年末、彫塑の仲間達との忘年会でその年流行った歌謡曲が話題になりました。
その時あの夏の衝撃が甦り、彼女が輝いていた事、凄く綺麗だった事などを話すと、
渡辺真知子ってブスじゃなかったか?」とSさん。
ええっ? 私には凄くチャーミングに見えたのに、そう言われて凄いショックでした。「俺の審美眼が狂っているのかな?」真剣に悩みました。でも私にはあの時の彼女は確かに輝いて見えました。そして唯一その時の彼女しか見ていないのです。
「丸顔でベチャっとした顔だろ?」確かに彫りの深い彫刻的な顔ではありませんが、優しさがあふれ出したその表情は私には充分に美しいものでした。
そういえば私が可愛いと思う人って大抵丸顔です。タレ目で彫りは深くありません。これが私の好みだったのですね。There is no accounting for taste.当に説明のしようがありません。
先ほど何気なくYou tubeを見ていたら彼女に行き当たりました。それで大昔の事がふと思い出された次第です。
30年後の今見てもやっぱりチャーミングだと思うんですがねえ。世間一般の目ではやはりブスなんでしょうか。