時の流れ

昨日の Net News で佐々淳行さんの東電吉田所長の擁護発言を見ました。やはり自身の哲学を持った人ならでは、ですね。
佐々淳行さんと言うと我が国の危機管理の第一人者。その氏を育てたのが後藤田正晴さんであることは周知のとおりです。その後藤田氏を見出し重用したのが悪名高き田中角栄さんであることも周知のとおりです。かつてはカミソリと言われた後藤田氏を三顧の礼を持って入閣させたのが中曽根康弘氏。
おかげで【田中曽根内閣】などと揶揄されましたが身内で固めるのではなく人材重視の人事に「さすがは中曽根さん。」なんて思ったものです。
官僚出身でありながら官僚らしからぬ後藤田さんを象徴するものとして後藤田五訓があります。


1.出身がどの省庁であれ、省益を忘れ、国益を想え
2.悪い本当の事実を報告せよ
3.勇気を以って意見具申せよ
4.自分の仕事でないと言うなかれ
5.決定が下ったら従い、命令は実行せよ


いかにも【サムライ精神】が現れているではありませんか。
ちなみに私の職場でのニックネームは【長官】。当時、警察庁長官であった後藤田氏の姓から上司が付けたものです。私の姓は【田】が抜けていますが、余りにも立派すぎるニックネームに面映ゆい思いです。


今日の Net News に石破茂さんが小沢一郎さんと組むことは無いとの記事。いずれも菅内閣不信任案に賛同しているのですが主義主張が違う事から周りの憶測に釘を刺したものです。
この小沢さんも角栄氏子飼いのひとりだったのですね。


力拔山兮 氣蓋世 (力は山を抜き 気は世を蓋う)
時不利兮 騅不逝 (時利あらず 騅逝かず)
騅不逝兮 可奈何 (騅逝かざるを 奈何すべき)
虞兮虞兮 奈若何 (虞や虞や 汝を奈何せん)


垓下の戦いに破れ四面楚歌の中、項羽が謳ったものですが、小沢さんの今の状況はまさにこの心境のように思います。
石破さんも私が好きな政治家ですが彼の哲学からすれば当然の成り行きでしょう。
個人的には例えバカ菅でも党派を超えて今の難局に立ち向かうべきと思っているのですが。
かつての偉大な指導者が去りその流れを組む有力者達も去ってゆく。時の流れに抗う事はできませんが、あまりにも不甲斐ない人達に政治を委ねなければなららい我々国民、一体どうすれば良いのでしょうか。



*四面楚歌 補足
上記の詩は以下の詩に続いて謳われています。


有美人 名虞 (美人有り 名は虞)
常幸従    (常に幸せられて従ふ) 
駿馬 名騅  (駿馬あり 名は騅)
常騎之    (常に之に騎す) 


愛妾【虞】が自害した後に咲いた花が虞美人草ヒナゲシ(ポピー)の事です。この話を思い浮かべながらヒナゲシを見ると、また一段と可憐に愛らしく見えるでしょう。