今日は厄日?

帰りのカカバスに乗り込むとかみさんが、
「シフォンケーキを買いに行く。」
「ふ〜ん。」
我家でシフォンケーキというと、少し遠いが決まったお店がある。
看板に映画【若草物語】の四姉妹の絵が描かれているお店だ。それで我家ではそのお店を【四姉妹】とか【若草物語】とか呼んでいる。本当の店名を知らないのだ。
シフォンケーキ以外にも一通りの品物は揃っているが、どういう訳かこの辺りではシフォンケーキが有名で我家もこれ以外のものは滅多に買わない。
映画【若草物語】というと私が生まれる前年の作品である。かのエリザベス・テイラーがまだ少女時代の作品である。たしかエイミー役だったような…。いやあまり記憶が定かでない。
この店のオーナーの年齢も推して知るべし。


暫く行くと急にストップ。渋滞に引っ掛かってしまった。遥か前方を見ると真っ暗な中にパトライトが回っている。
「事故か〜。」
その前には対向車線を塞ぐように車が横を向いて止まっている。それで片側交互で通り抜けているようだ。
自損なのだろうか。前部が潰れたホンダフィットが一台だけ。偏見かもしれないがフィットの事故ってよく見かける。フィットに乗る人は下手なくせに横着運転をする人が多いように思う。そうそう、道路を灰皿代わりにする人(火も消さずに吸殻を道路に捨ててゆく人)は日産車に多い。特にセドリックなんて十中八九がそうだ。車種によりそれを選ぶ人って決まった傾向を示すようだ。手前味噌ですがAudiに乗っている人のマナーの良さもかなり有名である。例外にならないよう私も気を付けなくっちゃ。
脱線してしまったが話をもどして…。
やっと通り抜け【若草物語】の前まで行くと、「あっ、閉まってる。」
かみさんは仕事帰りにこの前を通るのだが、たまたま今日は持ち合わせが無く、その時は営業していたそうだ。
持ち合わせが無かったのはS司が学業の方で仙台に行くとの事で手持ちのお金を上げてしまった為だ。それでシフォンケーキが買えなかったのは、S司の所為だ、フィット(事故車)の所為だ。とやつあたり。
私も「わざわざガソリンを無駄に使って…。」なぞと口をすべらせたものだから、今度は私の方へそのとばっちりが。
なんでも賞味期限が切れかけている生クリームを始末したいが為にシフォンケーキが欲しかったのだとか。
「そんなもん、果物にでもぶっかけて食えば良いじゃないか。」この言葉にまたまたかみさんはご立腹。
結局最期は私に「『ごめんね。』は?」
「ごめんね。」
「『僕が悪かった。』は?」
「僕が悪かった。」
毎度お馴染みのパターン。
かみさんの【食いたい病】は治まらず、帰り道のケーキ屋さんへ。
第二候補もお休み。「ゲ〜、何で〜。」
そして第三候補は、営業はしていたが目ぼしいものがなく、泣きそうな顔で出てくる。「お〜、よしよし。」可哀想になってくる。
今日はかみさんにとって厄日だったようだ。
えてしてこんな日は家でじっと我慢しているに限る。


が、そんな事にへこたれないのがかみさんのかみさんたる所以。風呂上りにまた出かけて行きよった。ほんとあの逞しさには感心するよ。