電車の中で

今日はS司が仙台へお出かけの日。
駅まで荷物を転がして行くのを嫌い、かみさんの出勤に合わせK駅にドロップして貰う。それで今朝は私と同じ電車でお出かけ。
かみさんが早出の日なので我々も早い時間の通勤となるが、丁度電車も空いているし大きな荷物のS司には都合が良い。
二人並んで座る。普段はすれ違いばかりなので、こんなにゆっくりと話が出来るのは久しぶり。
自分のノートPCが調子悪いので学校のを借りてきたそうだ。会場のプロジェクターを使いパワーポイントで説明するそうだ。
USBメモリか何かにバックアップとっておいた方が良いんじゃないの。」と言うと無言でバッグのポケットからUSBメモリを出す。なんだ、S司にしては用意周到だな。見ると2GBもある。便利な世の中になったものだ。
「CDより沢山入る。」
「そりゃそうだろ、3倍くらいか。値段も安くなったなあ。」
「2千円ちょっとだった。」
「1GBのSDが出始めの頃は1万円ほどしていたのになあ。」
話が壊れたPCから買換えの話になる。
DellのSOHO向けなら15”LCDでメインメモリ2GB、HD80GBで6万円切ってるぞ。」
しかし先日中古のバイク購入を決めたばかりで金欠病だと言う。
「PCくらいおかあに頼めば買ってくれるわ。」
そういえば昨日かみさんから5万円ほど貰っているのである。今日の旅費として。仙台空港はアクセスが悪く新幹線で行くより時間がかかるそうで、今日は新幹線で行くそうだ。上野の乗り換えが面倒だがひっきりなしに出ている事だし、最後の資料確認には丁度良い時間か。
バイクの資金としてお兄ちゃんから10万円貰っているし、ホントS司は恵まれている。(バイクに関しては家からは一銭も出ない。基本的にかみさんは反対であり、必然的に私も援助はしてやれない。せいぜい黙認くらいしかしてやれないのである。)
バイク購入の話を聞いた時、またお兄ちゃんが援助してやろうか?と言ってくれたらしいが断ったそうだ。だんだんと礼節もわきまえるようになってきたか。
と同時に金銭的な欲も出てきたようで、「一度休学して就職し、お金を貯めてから復学しようかな。」などという。
こんな子でも家の負担を慮っているのか。
「東京の方へ編入するんじゃなかったのか?」
編入すると入学金が20万円ほど要る。生活費もかかるし。」
「まあこっちにいてくれる方が負担が軽くて良いけど。それに無駄な時間が取られなくて良い。」
「先生に相談してみよっ。」
学校の先生も結構細かな事まで相談に乗ってくれるらしい。
本当に運が良い子である。周りの皆に助けて貰えるってこれも人徳か。
あまりにもトロいものだから周りの人も放っておけないのだろう。得な性質である。