Because

Because the sky is blue it makes me cry.
Because the sky is blue …


行っちゃった。
空の青さとは裏腹に、なんとなくブルー。


台風一過の晴天の下、ツバメの囀りが姦しい。尤もあんな鳴声じゃあ情緒もなにもあったもんじゃない。飛ぶ姿とは裏腹に下品な鳴声である。心晴々という心境にはおよそ程遠い時にこの雑音は耳障り以外のなにものでもない。やつあたりである事は解かっていても不愉快なものは不愉快なのである。…と思いながらも巣から覗く黄色い大口につい仏頂面がほころんでしまうのもまた事実なのである。


この三連休、台風が来ているにも拘らずT哉は新潟から帰ってきた。帰ってきても台風の最中二晩とも外泊である。友人達と夜通し語り合っていたのだろう。
そして今しがた帰って行った。今回はバイクを持っていくとの事。高速道を乗り継いで延々400kmをひた走るのだとか。天気は良いが台風の置き土産が所々残っているかもしれない。
「気を付けてね、ゆっくり行けよ。」
「うん、高速は無茶しないから大丈夫。」
梅雨明けを思わせるような晴天の下、なんの憂鬱とも無縁の嬉々とした面持ちで出かけてゆく。こちらの心境なぞ全く気付かないで。


Because the sky is blue it makes me cry.
Because the sky is blue …




えっ、新潟で地震だって?
そういえば先程微かに揺れたよな。それもゆっくりと低周波振動のような…。
道中大丈夫かなあ。