暇に任せてTV三昧

最近はSNSだけでなくYOUTUBU等の個人発信の動画も増えましたねえ。それも4Kの鮮明さでドローンも駆使し、普通では見られないアングルからの俯瞰など良質なものが沢山あります。
今日も暇に任せてYOUTUBUで読売新道、伊藤新道を観てしまいました。
ドローンって初期費用はいくらくらいかかるんですかね? つい私もチャレンジしたくなってしまいます。でも道具は揃っても肝心のコンテンツがどうか・・・。今の私に「はたしてそんな所まで足を踏み入れる事ができるか?」と言われると、「否!」と即答してしまいます。
私の現役当時でも読売新道は最奥地でもあり、足を踏み入れる人はかなり少なかったと思います。あの赤茶けた山肌ながらもその姿はたおやかでなぜか山人を引き付ける赤牛岳、連なる山脈のその奥まで足を踏み入れないと観ることが出来ないと言うだけでも私達の心をワクワクさせたものです。当時は当然今よりも山屋人口も少なく整備もあまりされていないので本当に秘境と言うに相応しいものでした。
逆に伊藤新道はその当時、かつての賑わいから取り残され廃道になったばかり。今はまた整備されつつあるようですね。
その基点となる湯俣温泉晴嵐荘へは二度ほど行った事があります。小屋泊まりは一度目だけで二度目は素通りでしたけど。というのも登る前に温泉で長湯すると翌日どっと疲れが出て登るに堪えられなくなることが解ったから。それ以降は温泉は下山後が鉄則となりました。
その小屋泊まりした時に、居合わせたパーティの人達が伊藤新道が廃道と聞いてどうしようかと言っていたのを思い出します。
私は二度とも水俣川から千天出合、槍ヶ岳だったので他人事として聞いていましたが。当時は北鎌尾根というと七倉、高瀬川から湯俣温泉経由が一般的でした。高瀬ダムもまだ工事中でダム湖も出来てない頃です。そして最大の核心部は北鎌本体よりも水俣川をいかにして通過するか?でした。針金だけの橋を渡ったり崩れそうな斜面をトラバースしたり・・・、春先はその針金橋も流されていたりと行ってみなければ解らないというのが本当のところでした。晴嵐荘まではピクニックなんですがねえ。千天出合まで辿り着ければあとは終わったも同じ。というのが当時の私の感想です。きっと湯俣川も水俣川同様水量も多く大変な所だったろうと思います。今は水俣川は通行できるのですかねえ? 今は北鎌へは表銀座稜線から貧乏沢を天上沢へ降りてから北鎌沢を登るようですから、きっと水俣川の道は廃道かもしれません。あっ、国土地理院の2万5千図には登山道の破線が記入されていませんからきっと廃道ですね。伊藤新道にも破線表示がありません。

大画面のハイレゾ動画に感動した後一休み。録画していたものを消そうとリストを見ていたらまだ観ていない録画を発見。昨日土曜日の20時からNHKBS3で放送していたヨーロッパアルプスです。内容はグランドジョラス。見てみるとなんとイタリア側から。クールマイユールからフェレ谷沿いにボナッティ小屋までのハイキングと同じくクールマイユールからロープウェイを乗り継いでモンブラン上部、メールドグラスの最上部へ、そしてそこからダンデジュアンの登攀の2コースの照会でした。てっきりフランス側からかな?と思っていたので新鮮な感動。今までのTVでの照会というとシャモニーからメールドグラス、そしてその奥に聳えるグランドジョラス北壁が一般的な映像でしたから。そう言えばジョラス北壁の初登を果たしたリカルド・カシンもフェレ谷からジョラス北面に回り込みあっさりと登頂したのでした。如何にカシンを筆頭にドロミテで鍛えられたイタリア勢がずば抜けた登攀技術を持っていたかの証左でしょう。カシンの後にもボナッティやメスナーが続いています。因みに私の使っていたカラビナは殆どがボナッティ、緑色の粉体塗装が施してあるものです。そうそうトンカチもウッド製の柄にCASSINの焼印が押してありましたわ。
あっ、またまた脱線。
先日の日記でも記しましたが雑誌【岩と雪】にも掲載されていたダンデジュアン、今はフィックスロープが設置され容易に登れるようですね。観ているとフィックスロープで完全な腕力登攀です。あれなら私でも登れそう? かつてはエキスパートのみに許された登攀がかなり身近になったようです。とは言え法律によりガイドは雇わなければならないのですが。
こうやってTV番組で最新の状況が画像と共に手に取るように解ります。本当に素晴らしい世の中になったものです。

補足:ダン・デ・ジュアンの
   ダンはdent(歯) 英語のdentist(歯医者)もフランス語のdentから来ているようですね。
   デは前置詞のde 英語で言えばofでしょうか。
   ジュアンはgéant(巨人) 英語のgiantとよく似てますね。
   フランス語では語尾に着く【t】は発音しないのでそのように発音すればダンデジュアン。日本語では【巨人の歯】となりますね。
何年か前に御在所でよくお世話になっているI夫妻がツールドモンブランに行った時に、御多分に漏れずミディ針峰にもロープウェイで行かれたそうです。そこでグランドジョラスに続く針峰群の中に一際目立つ針峰を見つけ、それが【巨人の歯】と呼ばれていると聞いたそうです。土産話に【巨人の歯】という言葉が出てきて、初めは何の事か解らなかったのですが聞いている内に「ダンデジュアンの事かな?」と推測、そして韻が似ている事からよくよく考えてみるとダンデジュアンに違いないと判った訳です。【岩雪】でもダンデジュアンと表記してありましたから直訳されると???となってしまった訳です。