日本の責務

シリコンバレーで行われた、あるパネルディスカッションの話。
今後最も重要となる技術として4つのものが話題に上ったそうだ。その4つとは、中高年の知力維持プログラム、バイオ燃料の開発、太陽光発電市場の拡大、効率的な淡水化技術の開発だそうである。
そう言った事に疎い私でも、「なるほど。」と納得する内容である。


高齢化が進む先進国の間では、ベビーブーマー引退後の生産力の低下、GDPの低下は大問題である。同時にそれらベビーブーマー達の殆どが、若い人々のお荷物になるより少しでも長く社会貢献し続けたいと願っている。
少子化が進み就労人口が減り続けている先進諸国にとって、これらシニアの社会参加は必要欠くべからざるものである。特に日本のようにまだまだ女性の社会進出が遅れている国、外国人の就労を認めていない国では尚更である。
昔に比べ、体力的に老け込む年齢も上がり続けている。頭の方も年齢とともに働きが悪くなってくるが、その脳を活性化させるトレーニングソフトウェアの開発も進められており、これにより心身ともに若返ったお年寄が社会復帰すれば大きな力になる。経験豊富で若い活力に満ち溢れた労働力である。


バイオ燃料についてはあたりまえの事であるが、食料とのバッティングが生じない事が重要である。
バイオ燃料カーボンニュートラル化石燃料のような硫黄分を撒き散らさない事、太陽光発電のように全くのクリーンエネルギーが、今後のエネルギー市場でのウエイトアップに重要な意味を持つ。


そして綺麗な水が豊富な日本では、つい見落としがちなのが4番目の淡水化技術である。
世界の人口65億人のうち、きれいな飲料水に恵まれない人が11億人もいるそうである。きれいな水がないことが原因で毎年百万人が死んでいる。また世界各地で水争いの為に信じられないくらい多くの人が死亡しているのである。
きれいな水と食べるに充分な穀物を供給出来れば世界中の殆どの紛争が無くなるのである。


そうしてみるとこの日本という国、多くの点で世界中に貢献できるものを持っている。
団塊の世代という高齢ではあるが比較的高学歴で知性豊か且つ勤勉で努力家の労働力。
バイオ燃料の開発については世界的にまだ始まったばかりなので着手の遅れている日本でもこれからもっと進めて行ける。
太陽光発電については07年度はシャープがQセルズに首位を明け渡してしまったが、日本全体では世界シェアの37%を握るリーダーであることに違いは無い。
淡水化技術も日本企業がトップシェアを握っている得意分野である。
これほどまでに世界中が必要としている技術を持っているのであるからには、尚一層の努力を重ね世界に貢献して行かなければならない。それが今の日本の義務であり責任でもある。


団塊世代の中高年の皆さん、山ばかり行ってないで社会貢献もしましょう。山へ行く体力があれば、そしてその年で山を始めようという精神的な若さがあればまだまだ頑張れます。
ほんの些細な事からでも世界中の恵まれない人々のお役に立てます。楽しく働きながら人のお役に立てるって素晴らしいじゃありませんか。