過制動

米国FRBフェデラルファンドの利下げを休止したそうだ。実質的にサブプライムローンの焦付きによる金融危機を脱したという事か。
数週間前には「バーナンキFRB議長の対応がやりすぎだ。」という批判の声も聞こえていた。そんな事が言えるのも、もうそこまでやらなくても危機は脱したと見ている人が多いという事なのだろう。
しかし、危機に対しては一刻を争ってでも出来る限りの対策を講じるべきだと思う。それだけの事をやったから収束し始めたのであり、放っておいたらもっと酷い信用不安に拡大していただろうと思う。本来調停者であるべきFRBが、JPモルガンにベアスターンズを吸収させるという、謂わば直接介入した事への批判が大きいようだ。しかしそれは今だから言える事で、その時点ではなりふり構わずできる限りの事をしなければならなかったのだろう。車に轢かれそうな人を助けるのに優しく誘導していては間に合わない。突き飛ばしてでも轢かれる事から逃れなければならない。バーナンキ議長への批判は、助けられた人が突き飛ばされた事を怒っているように見える。
緊急時は制御で謂う所の【過制動】が必要なのである。【不足制動】では用を為さないし、【臨界制動】でも臨界点自体がどんどん大きく膨れ上がり結局【不足制動】となってしまう。
その良い例(いや最悪の例と言うべきか?)が日本のバブル後の対応である。あれだけ税金を注ぎ込み財政発動しておきながら途中で手を抜くものだから回復基調が反転、20年も経った今でさえその後遺症を引きずっている。
定常状態でなくなったら【過制動】で徹底的にそれを抑え込む。完全に回復してからその制御を解く。常にこの方法で行くしかないのではないか。オーバーシュートが出るくらいの勢いで。まるでラジコン舵のようなものだ。そう効き目のおおきなものでON/OFFを繰返しながらの制御。


日本って、いつまで経ってもアメリカには追いつけないみたいだな〜。