スタグフレーション その2

何となく実感がなかったものの、日に日に現実味を帯びてくる。
先日帰宅途中、かみさんと一緒に寄ったマーケットで物価高騰に驚かされた。定価100円だったアイスクリームが全て125円に、売値148円だった食パンが168円に、カップ麺も安売り品で128円、通常価格では148円。かみさんお気に入りのフルーツぜりーも145円だったのが168円。
「今頃何を言っているのか。」と仰る向きもあろうが、久しぶりのマーケットで着実に進行しつつあるスタグフレーションを実感した次第である。
そして中国がリン鉱石の輸出を禁止したそうだ。大きな産出地として米国と肩を並べているが、既にその米国は輸出を止めている。そして中国もまた。四川大地震レアメタルの入手難、高騰が懸念されている時にまた大問題である。ご存知の通り、窒素、リン酸、カリは植物の三大栄養素と言われ、リン鉱石は化学肥料の元となっている。言い換えれば今後肥料が入手出来ず農作物も生産出来なくなると言う事だ。自給率云々以前の問題である。
生物のエネルギー代謝に無くてはならない唯一の金属、ATP(アデノシン3リン酸)として生物が生きて行く為に欠かす事の出来ない唯一の金属であるリンが入手できなくなるのである。ロシアも産出しているが、あのがめついロシアである。とんでもない価格に引上げる事は目に見えている。自給率を云々する前に安定確保の市場戦略が必要であった。先を見通す目を失ってしまったこの日本、この先どのように迷走してゆく事やら。
こうなったら海水から抽出する事を考えるか?
資源の少ない日本、今後は偏在性に囚われない資源を利用する事に力を入れるしかない。海水しかり、太陽光しかり、大気しかり、地熱しかり…。
海水中には豊富な資源が溶け込んでいる。2次電池として今引く手数多のリチウムしかり、核融合の燃料となるトリチウム重水素)しかり、その他金銀などの重金属しかり、また深海にはメタンハイドレートも豊富にある。これを取り出せれば高騰する原油なぞ買わなくてもエネルギーは確保できる。
そうそう、以前太陽電池セルの生産量でドイツのQセルに首位の座を明け渡した事を記したが、今年度に入り材料確保も目途が付き生産も好調との事である。残念なのは国内消費が全く伸びない点。これも早く欧州並にFIT(フィード・イン・タリフ)を導入して貰いたいものである。洞爺湖サミットを向かえ環境への配慮にも力を入れている福田さんに期待したいところである。そうなれば私に限らず多くの人々が、争ってでも自宅の屋根に太陽光発電を設置したいと思う筈である。


ん? なんだ、暗い話がどんどん明るくなってきた。
そうです。人間には考える頭があるのです。どんどんアイデアを出し合い、世の中が良くなるよう政治を動かして幸せな世界を次の世代に残せるようにしたいものです。やれる事はいっぱいあります。また次から次へと湧き出てきます。
スタグフレーション、何するものぞ。