とりあえず

退院しました。
筋炎の方は暫く様子見ということでステロイドを止めています。
因果関係はよく解かりませんが、癌細胞が分泌するタンパク質が悪さをして自己免疫疾患を起こす事があるそうです。調べてみると腫瘍随伴症候群とか傍腫瘍性神経症候群とか言うようです。
もしそれが原因だとしたら癌を取り除いた事で筋炎の方も改善されるかもしれません。
そんな訳で様子見のようです。尤も術後の治癒の為ステロイドは暫く使えなかった訳だし、免疫抑制剤なんて今後も絶対に使えません。
かみさんは悲観的に「万策尽きたから追い出されるんだわ。」なんて言っています。
術後の傷跡が痛むのと筋炎ですっかり筋肉が削げ落ち身体が重い事が気を滅入らせているようです。
それでも一時期よりずっと顔色も良くなっており、癌細胞が悪さをしていた事を思わせます。
今リハビリを兼ねて軽い家事を始めています。調味料のキャップが開けられなかったり、1kg程度の物が持ち上げられなかったりで、その度に大声を挙げています。
車の運転もするようになりました。以前は助手席に乗る事も一人では難しく自分でドアを閉める事すらできませんでした。それと比べれば確実に回復しているように思えます。
ただステアリングをきるのが大変そうで曲がる度に大きく減速し凄く大回りをしています。


それにしても遠回りしたように思います。
最初は血液検査から肝臓が疑われPBCではないか? 生体検査では肝臓ではないらしい? そうこうしている内身体中力が入らなくなり手を上げる事すら出来ない状態に。再度血液検査をするとCK値が8,000を越える値。これは多発性筋炎? 顔面には現れていませんでしたが左手の甲にあざが現れ結果的に皮膚筋炎と診断。皮膚筋炎にはたちの悪い合併症がつきものとの事で疑わしいところを徹底的に調べたら乳癌が見つかったという訳です。
元々乳腺症がありしこりはそれだとの思い込みから全く疑ってもいませんでした。どうやらそれが乳癌になったような気がします。
もう10年以上前の事なのでその頃から癌の芽は大きくなりかけていたのだと思います。
だとしたらこの症状が癌の肥大化を知らせてくれたとも言えます。ガリガリに痩せたかみさんの姿を見るとこんな事を口にするのは憚られますが、それでも運が良かったのかな?なんて思ったりします。


来週から外来にて抗癌剤治療に入ります。1年以上かかるそうですが過ぎてしまえば笑い話になることを願っています。