中東の反政府デモ

チュニジアに端を発した反政府デモ、エジプトではムバラクさんを引き摺り下ろしリビアやイラン、イラクバーレーンにも飛び火しているそうです。
なんだか新たな時代へ移行するうねりのようなものを予感させます。
エジプトでは軍が暫定的に政権を担い民主的な政権に移行してゆくようです。
イスラム原理主義に走ることも無く、対イスラエルとの平和協定も継続されるそうでまずは一安心。
これは教育水準の高いエジプトだからこその事でしょう。
先日のアラビアのロレンスで思い起こされるように、ついこの前まではこの一帯はオスマントルコ支配下にありました。そこにヨーロッパの列強が介入し、第二次大戦後、ナチスホロコーストからの反動かシオニズムが盛んになりこの地域にイスラエルという国家が出来てしまいました。現地で生活していた人達とは全く関係の無い連合国間だけでの取り決めです。難民となった人達、それら難民を受け入れざるを得なかった近隣諸国には全く迷惑千番な話です。
生活もままならず教育も受けられない人々がイスラム原理主義に走るのも無理の無い事です。
かといって建国から既に半世紀が経ち、ますます強大な軍事国家となっているイスラエルを否定しても何の解決にもなりません。お互いを認め合い共存する道を探るしかないのです。
イスラム原理主義に走るか走らないかは正常な判断ができるかどうかで決まってしまいます。とりあえずなんとか生活して行ける状況なら「来世を夢見て笑って死んで行く。」なんてことは無いでしょう。その為には周りの国々がその地域の人々が生活して行けるように援助しなければなりません。教育により自活できる力を身に付けて貰わなければなりません。それを阻んでいるのは怨嗟と現世への諦念からくるイスラム原理主義です。結局はこの悪循環が延々と続き今に至っている訳です。
宗教による独裁色の強い国ではデモの鎮圧で死傷者が出ています。やはりエジプトはそれらの国々と比べると民主国家です。いかにムバラクさんの独裁色が濃かったとは言え。
他の国々の成り行きに目が離せません。これを機に民主化が進むのかそれとも原理主義の色彩を深めるのか。
中東は地理的には遠いですが、我々日本人の生活を支えるエネルギーの供給源として見るならば非常に縁の深い地域なのです。その地域の安定にもっと力を割くべきと思うのは私だけなのでしょうか。
ODAでお金を出すだけではなく、人的援助も加え現地の人達の教育、医療、産業に貢献すべきです。GDP世界第二位の中国へのODAを止めてでも。
日本の若者達に【21世紀のアラビアのロレンス】になって頂きたいですね〜。武器で独立を勝ち取るのではなく、黒板とチョーク、或いは聴診器とメス、土木機械と農機などを手に心の独立を勝ち取るお手伝いをして欲しいですね〜。