台風18号

意外に静かだった。
近付くに従いもっと酷くなるかと気になっていたが拍子抜け。尤も甚大な被害に遭われた方もいらっしゃる訳で、こんな事を言うのも憚られる事ではあるが。
12時近い頃S司が帰ってきた。幸い風雨伴に小康状態の頃合いを見計らって帰って来たようで濡れ鼠というほどではなかった。深夜で車も少なく案外短時間で済むようだ。おかげで眠りばなを起こされ少々気分が悪い。がそれも束の間やがて深い眠りに落ち込んでいった。
夜半大きな音で目覚める。風雨の音ではない。何かがぶつかったような音だった。暫くしてまた。今度は地響きがするほど。
かみさんが気にして外へ見回りに行く。私は起きられない。どこか壊れていてもどうしようもない。全ては台風が通り過ぎてからしか何も出来ないのだから。
「駐車場にトタンが2枚落ちてた。家の屋根が壊れたみたい。」
「安普請だからしょうがないか。」
そしてまた夢の世界へ…。
どれくらいたっただろうか。また大音響と伴に家中に衝撃が伝わる。またトタンが飛んだのだろうか。
「お父、屋根、飛んでいかんかな?」
「大丈夫だろ、そんなに風強くないじゃん。」
暫くして「私、下に避難する。」と言い残し階下へ。
雨戸を閉め切った家の中は明かりをつけないと真っ暗。手探りで目覚ましを探し時刻を見ると、もう午前4時半。風も強いには強いが今まで経験したものと比べると本当におとなしいもの。
階下からかみさんが、「これから1時間くらいがピークだってよ。」どうやらテレビを見ているようだ。


目覚ましの音で目覚める。相変わらず風雨伴に大した事はなさそう。もう台風は遠ざかりつつあるのだろう。起きだすと「名鉄、停まってるみたいだよ。」
出かける仕度を済ませ、ネットで調べると名鉄は全線始発から運転見合わせとのこと。N駅の電話番号を調べ問い合わせてみても、これから路線を点検し異常が無い事を確認してからになる。の一点張り。
地下鉄は動いているそうなので、かみさんにA駅まで送ってもらう事にする。
駐車場を見てみると屋根の真ん中(一番高い所)を覆っている細長いトタンが2本落ちていた。幸い車には当たっていなかったようだ。
「修繕費がかかるなあ。」と思いながら良く見ると、うちの家の屋根と色が違う。そして直ぐ思い浮かぶのは裏の建物。どう見ても同じ色だ。
出かけついでに遠くから見ると確かに裏の建物の屋根の頂角部が途中で段になっている。低い方がトタンが剥がれた跡だ。裏の建物(寮)の持ち主に電話を入れておく。たまたま今回は裏の建物だったが、うちが迷惑をかける事も充分ありえる。


職場へは始業前に滑り込んだが来ているのは数名。警報もまだ解除されていないし、交通機関も停まっているし仕方ないですわ。
それより気になるのは、今日納品予定の物。明日の出荷に支障をきたさないかと気を揉んでいたが、無事納入されたようだ。
夜中の件もあり今日一日中眠くて仕方が無かった。
さあもう寝ようっと。