心を鍛える

昨日帰宅すると頼んでおいた本が届いていた。クロネコブックサービスである。最近はこればかり。
勤務先の移転に伴い通勤途中に本屋がなくなってしまった。休日にわざわざ車を出してまで本屋へ行く気も起こらない。おかげで立ち読みができなくなってしまった。
国家の品格】、以前人に勧められたものだが、表題からして如何にもナショナリズムを煽動しているように感じ、読む気なぞ全く無かった。(大体私は名前からくる"匂い"で読む本を決めている。ホントいいかげんなものである。)
それが数日前、新聞の書籍広告欄に掲載されていた。抜粋が目に留まり、「ナショナリズムとは全く無関係じゃん!」
価格も700円程で凄くお廉い。「じゃあ読んでみるか。」となりNetで注文した次第。低価格の為運送費が300円程かかり、Total 1000円ほどとなってしまった。まるビ親爺の私にしては凄く太っ腹!
本なんて廉いものである。読む側の資質にもよるが、概ね内容の重みは代金とは比べものにならないくらい大きい。本ほどコストパフォーマンスの高いものを私は知らない。ここで300円ほど余分にかかったところで、得られる価値が何万円いや何百万円分にも相当するならコスト比率は限りなく0に近い。


夕食後メールチェックやら調べ物を早々に切り上げベッドに潜り込む。私の書斎はベッドの中なのである。
版が小さく200頁弱と言う事で、気が付いたら読み終えていた。
内容は一言で言うなら「心を鍛えましょう。」ってところかな。普段自分が思っている事を代弁して貰っているようで、読みながら「そうだろ、そうだろ。」と思っている自分に気付いた。
巻末の著者略歴を見てビックリ。著者の藤原正彦氏は新田次郎のご子息であった。親子2代に亘る藤原家に印税を供する事になろうとは。
著述の中で父親にふれているところがあったが、「へえ〜、新田次郎ってそんなところがあったのか〜。」などとなんとなく親近感が湧いたりもした。
著者の考え方の根底にはやはり父親の影響があるのだろう。その影響というのはやはり大自然から教えられ感じ取ったものであるように思う。かく言う私も自然からの影響を強く受けているのである。


それで先程Netで新田次郎を検索してみた。略歴の"無線電信講習所本科(現D大学)卒”が目に留まった。なんとうちのS司の先輩ではないか。そして新田次郎のもうひとつの顔、富士山レーダー建設の立役者って事が頭に浮かぶ。
「ゲゲッ!」うちのS司もD大から畑違いの環境学研究科に進むのである。地球規模の気象を研究するのである。偶然もこれほど重なると気持ちが良い。「事実は小説より奇なり。」古い言葉ではあるが今更ながら納得してしまう。


ついでに【国家の品格】を検索してみると、"Amazonで買うと国内送料無料"と記されていた。「しまった!」まるビ親爺は後悔ばかり。
そのすぐ下には読んだ人の書評が。なんだか凄い批判ばかりである。揚げ足を取るだけなら誰でも出来る。まして名を名乗る訳でもない。ここにも顔の見えない村人Aがはびこっていた。冒頭で「本の価値は読む側の資質で決まる。」と書いたがもう一度繰り返したい。
安易に批判している人達、批判する事で著者より偉いとでも思いたいのでしょうか。誰の目にも、批判している側の知識の浅はかさ、度量の無さの方が目立っています。まるで自分の軽薄さを宣伝しているようなものです。「成長しようとしない人は永遠に成長しない。」著者が著述の中で言っている声すら耳に入らないようです。「恥を知れ!」「卑怯者は生きる価値さえ無い。」この声も聞こえないようです。