暴走

昨日帰宅後、Hikingの写真整理などしていたらまた暴走。
症状からすると熱暴走のような気がする。とうとう重い腰を上げ、ボロPCのカバーを外す。
CPUクーラーは回っているがどうも元気が無い。殆ど風も送られていない様子。
ヒートシンクを触ってみると異常に熱い。FANを外し水で浸したティッシュをあててみるとジュッと音がする。よく火傷しなかったな。余程手の皮がぶ厚いのか。いずれにしても100℃を越えている事は確かだ。
そして熱暴走であることも確実。
外したFANを良く見るともうガタガタ。部品取り用のPCのカバーを外し代用できるか見てみる。
駄目だった。こちらはソケットⅡでFANは付いていない。「明日ヤマダ電機で買ってこよう。」って事でかみさんのノートPCを借りて続行。


もう何年も前、従来のCPUソケットは止めて今後はソケットⅡに統一するような事をIntelが言っていたと思うが、今のPC、ソケットⅡなんて全く見かけない。独占企業は勝手なものである。AMDさんもっと頑張ってよ!
そう言えばHPも20年近く前、「今後HPのCPUはRISCに統一する。」なんて大発表していた。今現在HPはCPUの自社生産は止めてしまい、PC最大手のCompaqを傘下に収めている。当然CPUはIntelAMDからの買物でありCISCである。
しかし合従連衡の激しい業界の中で未だに生き残っていると言う事はカーリー・フィオリーナさんはじめHP経営陣の采配の賜物なのだろう。
おかげで測定器部門は不採算部門として切り離されてしまったが。
これに一抹の寂しさを感じるのは私一人では無いだろう。
ヒューレットさんとパッカードさんが学生の時にガレージでラジオの部品を作り始め、それがHPというグローバル企業の始まりという話は有名である。
私の若い頃、HPやTechtronicsの測定器が職場に有るというのは一種のステイタスだった。それら測定器に比類するものは日本製には無かった。棲み分けではなく、どうあがいても国内の技術では真似すら出来なかったのである。そのくせ家電業界では日本製品は世界一の技術レベルだと宣伝しまくっていた。世の中の人々もそれを鵜呑みにしていた。【大本営発表】や北朝鮮プロパガンダを連想してしまう。自画自賛には滑稽さと哀しさが同居している。


HPが買収したCompaqもその少し前、コンピュータ業界の雄 DEC(Degital Equipment Company)を飲み込んでいた。これも経営陣の采配の失敗が原因だろう。株価に過敏に反応する機関投資家、報酬に即座に反応する従業員(労働市場流動性の高さ)達の前では企業価値など風前の灯である。
DECのUNIXマシンも憧れだった。(HPのUNIXも導入したがいつのまにかPCに置き換わってしまった。)買収された頃には64BitCPU+64BitVMS(DECのOS)は既に実用化されていた。
WinXPは今度のバージョンでやっと64BitOSになるらしい。独占による競争のない社会では時間が止るようだ。失われた5年はどう帳尻をあわせるのだろう。デファクトスタンダードの恩恵を受けている企業はもっとユーザーに価格面、サービス面で配慮すべきだ。独禁法に苦慮しているようだがまだまだなまぬるい。AT&Tのように部門別に解体しても良いではないか。元はと言えばCP/Mの無断盗用という疑惑も払拭されていない企業なのだから。
アメリカでは、金さえあれば裁判でも勝てる。裁判での勝者の主張が真実であるらしい。
元DECのVMS開発チームのボス、デビッド・カトラーがMicro SoftでWin NTを開発したのも有名な話である。四散したDECの技術が世の中に貢献していると思えば少しは気が治まる。しかしその利益の上にあぐらをかいている連中には腹立たしい思いがのこる。


以上CPUクーラーの故障から思い浮かべた【よしなしごと】でした。
もうすぐ10:00a.m. そろそろヤマダ電機へ行こう。