ミツアキ

我家では孫の手の事をミツアキと呼んでいます。
T哉が子供の頃学校の工作で孫の手を作ったようなのですが、それがいつの間にか友達のミツアキ君の物と入れ違ってしまったようです。真実は解りませんがたぶんそうだろうと思います。
その孫の手の柄の部分、材料の竹の内側にミツアキとマジックインキで書いてあり、この孫の手をミツアキと呼んでいます。その内別に買った孫の手もミツアキと呼ぶようになりました。我が家では孫の手=ミツアキなのです。
このミツアキには本当に世話になりました。
かみさんの入院中、最も症状が酷かった頃、自力で頭を支える事が出来ずベッドを起こした時はこれを笏のように持ちその先に顎を乗っけて頭を支えていました。これ無しでは一度頭が垂れてしまうともう自力では起こせないのです。
孫の手の引っ掻く部分のカーブが首から顎にかけてのカーブとピッタリ合っておりとても具合が良かったようです。
その時も「孫の手取って。」とは言わずに「ミツアキ取って。」と言っていました。
ミツアキ君には感謝感謝です。
そのミツアキも今ではお役御免。ミツアキが無くても首が垂れ落ちる事はありません。
こうしてみると、あの頃は本当に酷い状態だったんだなあと思います。それがここまで持ち直したのは、これはもう奇跡としか言い様がありません。我々夫婦って本当に運が良いなあと思います。無神論者の我々夫婦ですが、それでも毎日神様に感謝しています。