グレートサミッツ

7:30a.m.からBSプレミアム。アイガーの再放送のようです。
7時前に起き出しルンバ君を働かせ、髭をそりながら新聞に目を通します。
あっ、そろそろ始まります。
う〜ん、絶景ですね〜。どうやら槙有恒に絡めて東山稜を辿るようです。確か著書の【山行】では梯子を担ぎ上げたように記されていたと思っていたのですが、丸太だったようです。読んだのが40年近く前の事ですから記憶も風化していたのでしょう。
番組ではミッテルレギ稜と呼んでいます。最近はこの表記の方が一般的なようです。風化した記憶では【山行】の中ではこの表記は無く、東山稜としか記されてなかったと思います。
たった30分の放映、無茶苦茶物足りないです。それこそ2時間半くらいかけてヘル・マキ(槙親方)の生い立ち、ひととなり、業績などもっと詳しく放送して欲しかったです。
ヨーロッパって民主主義で万人が平等だと我々日本人は勘違いしていますが、実は日本よりもずっと厳然たる階層社会なんですね。今でこそその意識が薄れてはいますがヘル・マキが滞在していた当時、山岳ガイドなどの身分の低い者はホテルにすら入れて貰えなかったのです。士農工商の名残がまだ色濃く残る時代に育った槙さんの方が当時のヨーロッパの人達よりずっと人を平等に見ていたのです。やはり士族出身の槙さんには儒教精神が芯にあり、人皆我師的な考えがあったのだろうと思います。そんな分け隔ての無い槙さんだからこそ全てのグリンデルワルトの人達に慕われたのだろうと思います。
いや、槙有恒伝記となるとグレートサミットの中のひとつとして取材するには荷が勝ち過ぎますね。槙有恒特集でもやってくれると良いのに。
我々の世代の山屋にとってやはり槙さんは神様です。槙有恒の名前が出るだけで胸が熱くなり涙腺が緩んでしまいます。
アイガーの放映のついでに「ちょっとだけよ〜。」では哀し過ぎます。