ワカン

ワカンがガタガタになっている。御在所通いを再開した頃にワイヤで補強したがそれも切れてしまった。片側は去年、そしてもう一方もつい先日切れたようだ。
麻縄も解けかけており、このままでは履いている時に分解のおそれが出てきた。使うたびに「直さなくっちゃ。」と思いながらも、いつもボロ車に放り込んだらそのまま忘れている。我ながら困った性格である。
「今日こそは。」と思っていたが、帰宅してみるとボロ車が無い。子供が乗って行ったままだ。
そういえば最近子供の顔を見ていない。朝はまだ寝てるし、子供が帰ってくる頃にはこちらが寝てるし、すれ違いの生活だ。朝、車から出しておけば良かった。
たいまいはたいて新品を買う気にはなれないし、それに今では芦峅寺風の物は無いらしい。全てアルミ製に置き換わっているそうだ。籐の適度な弾力と麻縄での過負荷の吸収が無く結構傷み易いとか。
別に骨董品に拘る訳ではないが、手入れさえすれば未だ使えるのならその方が良い。


先日骨董品のようなワカンを履いている人とすれ違った。ワッカの部分がこげ茶色だった。
つるはしのウッドシャフトに油を塗りこみこげ茶色にしている人はよく見かけるがワッパまでそんな事するかなあ? 油を染込ませると何か御利益が有るのだろうか? 例えば雪が付きにくくなるとか?
つるはしも調度品として部屋に飾っておくならそうするのも楽しいかもしれない。でも道具として使う限り調度品にはならない。春先のざらめで使おうものなら1日でヤスリをかけたように真っ白になってしまう。
と言いながらも私もつるはしには油(亜麻仁油だっけ?)を塗った事もある。でもさすがにバイルにだけは塗らなかった。(古くてすみません。バイルもウッドシャフトなんです。)油なんて塗ると何だか滑りそうで。だってバイルはつるはしより手でどつく頻度が高いですから。
道具の手入れは必要です。でもただでさえ不精者のこの私、手入れ以上に磨きをかけるなんて性に合いませんね。


ああ早く家のドラ息子、帰って来ないかなあ。いい加減補修しておかないと本当に使用中にバラバラになってしまうかもしれない。




補修のついでに一工夫凝らしてみようかな。ワッカの内側にスノーシューのようなデッキを貼り付けてみるとか。硬質のビニル或いは革を縫い付けるとか。そうすればスノーシューのような浮力が得られるかもしれない。でも露岩でつまさきが使えなくなってしまう。やはり登行を伴う日本の山にはワカンの方が合っているように思う。だだっ広いところではスキーの方が合っているし、中途半端なスノーシューって一過性のブームのような気がする。