やっぱりパクリだった

昨夜バイトから帰り、風呂上がりにこっそりと水割りを頂きながら孤食を楽しんでいました。
はい、バイトの日の夕飯はもう皆夕食を済ませているので孤食になります。ダイニングには誰も居ないので週末の楽しみとして安物の蒸留麦酒の水割りを頂いています。(ないしょないしょ)
録画しているものも無いので暇に任せてTVのチャンネルをガチャガチャ。時分割で各チャンネルを観ます。「ホント、おもしれーのねえなあ。」
そんな中ひとつの番組に行きわたりました。高倉健さんの写真と山田某監督が出ており、話の内容から映画【幸せの黄色いハンカチ】に まつわる話のようです。
初めてこんな映画がある事を知ったのは私がまだ20代半ばの頃。その少し前にドーンのTie a yellow Ribbon round the ole oak tree(邦名 : 幸せの黄色いリボン)と言う曲が流行っていた事もあり、その時は「パクリじゃね〜の?」なんて思っていました。当時は邦画なんてお金を払ってまで見もしなかったし、おまけに当時の高倉健さんと言うとバリバリの極道役者。平和主義の私がそんなものを観ようなんてどんな事があっても思う筈がありません。
その後かなり後になりますが、観たくも無いのについ観てしまう機会がありました。たしか職場のバス旅行でガイドさんもサービスが尽き乗客も遊び疲れた頃に車内のTVで流されたビデオがこれだったのです。
新人の武田鉄矢のクサイ芝居に対比するかの様な朴訥な高倉健さんの渋い演技が、それまでの私の偏見を一掃させたのでした。小説にしても芝居にしてもパロディはごく当たり前の事。オリジナリティ云々よりもこの作品はこう表現している、あの作品はああ表現している。それぞれの異なった切口やものの見方それぞれを楽しめば良い。こんな基本的なことを教えてくれた作品でもありました。ドーンの曲ではリボンですが、同じ様な話は沢山ありハンカチの場合もある様です。ドーンの曲自体もそんな数ある話から作られたようです。
番組の中で解説の方が言っていました。倍賞千恵子さんからドーンの曲の歌詞の和訳を教えられた監督がそれに感銘を受け是非映画化したいと思ったそうです。
やっぱりパクリだった事に違いはありませんが、そのストーリーをどう表現するか? これが最も大切な事なのでしょう。
監督だけに限らず演じる人もその人の人生から得てきたもの培ってきたものを絞り出し、それらのハーモニーが作品と言う形に収斂されて行くのでしょう。武田鉄矢のあのクサイ芝居もひとつのエッセンスになっていたのはそれはそれで良かったのかもしれません。
番組の中ででも述べられていましたが、高倉健さん自身も当時はマンネリ化していたヤクザ役からの脱却に苦しんでいたようです。あの映画を境にして【ぽっぽや】などの名画に無くてはならない役者さんに成長して行ったと言う事です。