雉も鳴かずば

撃たれまいに。 とは「余計な事は言うな。」の戒めですが、そんな事なぞ気にもせず最近よく鳴いています。恋の季節なんでしょうね。でも雉のつがいって一生添い遂げるんであればわざわざ求愛表現なんて必要ないのでは?
いや人間同様釣った魚には餌も必要なのでしょう。でないと逃げられちゃうかもしれません。毎日些細な事にでも感謝を言葉にしていなければならないでしょうから。人も雉もその心遣いの上に婚姻関係は成り立っているのかもしれません。
それにしても毎日騒がしいです。「ケーンケン、ケーンケン。」
鳴き声は毎年相変わらずですが、最近はその姿を目にする事がめっきり少なくなりました。近所を歩く事が少なくなった所為かもしれませんが。
こちらへ越して来た当初は近所の畦道を歩いていてよく驚かされたものです。外敵の気を逸らす為、或いは巣に近付かせない為に間近でいきなり垂直離陸、そのまま水平飛行で遠のいて行く。その時の音がかなり大きな音で「ポーン、バサバサバサ・・・」ホント跳び上る時のポーンは何かが破裂したような大きな音です。
この垂直離陸、実際は脚力だけでなく羽ばたきも加わっているのが真実だそうです。流石に脚力だけで2mも跳び上る事は難しいようです。羽ばたきによる前進のベクトルも加わり垂直からy=2mの水平直線への漸近線になるとでも言えばよいのでしょうか。
これは特に夕刻頃によく出くわし、薄暮の頃でもあり余計に驚かされる事になります。主に音にビックリなのですが、何度も経験していると、それが雉である事にすぐ気付き何と無く微笑ましく感じます。
声はすれどもその姿を目にする事が少なくなったのは、やはりこの辺りでも都市化が進んでいる証左なのかもしれません。
そうそう、引っ越して来た当時は日曜朝など遅く目覚めた時に、家の庭を散歩しているつがいの姿もよく目にしました。雌とは比べ物にならない雄のあの華やかな姿は見惚れるほどです。今でも偶にその姿を見かける事も有りますが、毎週毎週休日毎に我家の庭にあの勇姿を披露に来るつがいはもう居ません。
もっとじっくり観察して「けんもほろろ」の実演も観てみたかったなあ。