よもやま話

昔スキーをやっていた方ならご存知でしょう。新潟県浦佐スキー場を。
特にSAJのバッジテストなど基礎スキーに心血を注いでいた方々なら知らない筈はありません。知らない人は【もぐり】と言われても反論の余地はありません。それほどまでに有名なスキー場でした。
規模自体はそれほどでも無いのですが基礎スキーの老舗中の老舗で、他のスキースクールで取ったバッジとここで取ったものとでは全く価値が違っていたのです。
現役で山を登っていた頃、同じ会に所属していた女性がいました。その方がスキー狂いで、年間4ヶ月のスキーシーズンの為だけに一年を暮らしていると言うのが過言でないような生活をしていました。その女史曰く「同じ取るなら浦佐で取らなきゃ意味がない。他のスキー場で取ったバッジでも浦佐では絶対に取れない。」
確かにそう言った事はあるように思います。特に山陰地方のスキー場で取得された方々など「えっ、これで?」と思う事がしばしば。

先日YOUTUBE志賀高原の閉鎖スキー場ってのを観たのですが、同じようなものがアップされており【国道17号線沿線 閉鎖スキー場を巡る旅】というものも観てしまいました。そこでなんとこの浦佐スキー場も閉鎖となっているとの事。2011年との事ですので既に10年以上が経っています。閉鎖の危機に直面した時、ここに思い入れのある方々が回避の為に協力し合おうとはしなかったのでしょうか。
いや、往年の華やかな頃からかなりの年月が経ち、若かりし頃ここに入り浸っていた人達もスキーとは疎遠になり、気付いた時には既に閉鎖されていたってところかもしれません。
そうですよねえ、今はどこのスキー場へ行ってもボーダーばかり。2本の板を履いているのは本当の少数派。「浦佐? 何それ?」と言われてしまいます。
スキー人口激減、ボーダーも増えたと言いながら嘗てのスキー人口をカバーするには至りません。ウインタースポーツそのものが斜陽産業となっている現在、浦佐の閉鎖はひとつの時代の終焉の証のような気がします。