いつかある日

昨日は田立。2年ぶりです。
往路樹林帯を登りながらIお母さんとおしゃべり。この辺りは、津軽ヒバ、木曽檜、吉野杉で代表される日本三大美林のひとつであることから檜の話。そこからどんなに努力しても檜にはなれない翌檜(アスナロ)、井上靖の【あすなろ物語】へと話が飛んで行きました。
本日朝から昨日の記事をアップしていて、あすなろ物語の作者って本当に井上靖だったっけ?
同じ井上姓でも井上ひさしってのも居たし、年食うと記憶が朧げでいけません。
そこでネットサーフィン。(今時こんな言葉は死語ですかね?)
あっ、合ってました合ってました。そうです、井上靖は山屋の間では【氷壁】でも有名だったのでした。今でこそナイロンザイルは岩角で簡単に切れる事は常識ですが、当時は切れる事は無いと信じられており大問題になった事件を題材にした小説でした。
そこでつい井上靖の【あすなろ物語】について調べて見ると、私の記憶違いなども次々発覚。ホント、人の記憶なんてあてになりません。
しかし当時自分自身を愕然とさせた一節を再度目にしてまたもや後ろめたい気分に。齢72になろうとしている者にとってもう手遅れなのは解っていますが、私の人生「明日はなろう。」と努力すらして来なかった事を思い知らされます。ホント、翌檜にさえなっていませんでした。
氷壁】から山での事故死を思い浮かべ、そこから古い歌を思い出します。

 いつかある日、山で死んだら、古い山の友よ伝えてくれ~♪

フランスの登山家ロジェ・デュプラの詩をかの深田久弥が訳しダークダックスが歌ったものです。
私が山に嵌っていた頃には中沢厚子さんが歌っておりテレビやラジオがその宣伝で耳タコだった事を思い出します。
冒頭に続く歌詞が、

 母親には、安らかだったと、男らしく死んだと父親には~。
 伝えてくれ、愛しい妻に、俺が帰らなくとも生きてゆけと~。

当時もそうですが、改めて笑っちゃいますね。山で事故死して安らかな訳ないでしょ。事故処理で他人に迷惑かけて男らしい訳無いでしょ。あんたが死んでも、嫁さんはきっと後追い自殺なんてしませんよ。生命保険金貰ってさっさと別の男と暮らし始めますよ。
あまりに阿呆らしい歌詞に大嫌いな歌でもありました。合宿のテントの中でも誰一人としてこんな歌を歌うバカはいませんでした。
ネットで井上靖を調べた事からついバカバカしい事を思い出してしまいました。皆様もどうぞご一緒に笑ってやって下さい。
しかし最近山の事故多いなあ。