山歩きの効能

先週の筋肉痛が癒えぬまま昨日土曜日も御在所へ。まあ暫く前までは毎週出かけていたので珍しい事では無いのですが、雪が有ると無いとでは負荷量は全く違い、先週の疲労が残っているのも当然です。それはこのところ身体を全く動かしていないって事の証左であります。
平均寿命が何年にもわたり世界一を更新し続けている我が日本、健康寿命はと言うとさほどではありません。一位のシンガポールに続き2位だから特に悪いというほどではありませんが、平均寿命と健康寿命の間にはおよそ10年の差があります。言い換えれば10年もの間、なんらかの病気を抱えたまま生き続けているって事です。酷い場合は寝たきりで10年です。なんらかの生き甲斐を持ち続けての10年ならばそれなりに充実した人生かもしれませんが、小市民の私なぞとてもそうは行かないでしょう。まずモチベーションが萎えてしまいます。そしてなんの楽しみも無いまま10年を過ごす・・・思っただけで寒気がします。
そんな訳で目下PPK(ピンピンコロリ)を目指し体調マネジメントに励んでいます。筋肉痛もその為と思えばあまり苦痛には感じません。
こう言った中高年の為のPPK作戦にピッタリなのが山歩きです。
若い頃のようなハードな山とは一線を画しているのが、今の私の山歩きであり中高老年の方々にお勧めの山歩きでもあります。
体調に合わせペース配分も自由自在、コース取りも自由自在。偶には若い頃に戻って〇〇が縮み上がるようなところも織り交ぜて。ワクワク感も精神衛生上とても大切なものです。この高揚感が次なる生活のモチベーションへと繋がります。
山頂までを一区切りとしてその目標に向かいリスクや体力をマネジメントしながら行きます。足から頭まで伝わる適度な衝撃が脳の活性化と骨粗鬆症の予防となります。長時間にわたる有酸素運動が心肺機能の維持向上と筋繊維の増強に繋がります。
山頂に辿り着いてもそれで終わりではなく、当然の事ながら人のテリトリーに戻るにはまた降らなければなりません。そうです。街中の散歩のように途中で「止~めた。」なんて放っぽりだす事はできないのです。おかげで忍耐力も付きます。
身体が鈍っていて体力が無い時は楽~なコース取りから。体力が付いてきたら徐々に負荷のかかるコース取りに上げて。

そう言えば昔、新人の女の子を前尾根に連れてった時、次の集会で聞いた言葉、「筋肉痛で寝返りも打てなかった。」
この言葉は他の人からも良く聞きました。岩登りは全身運動、普段全く使わない筋肉を使います。そして初心者にありがちな恐怖心からつい腕力に頼り、それで余計に上半身の筋疲労に繋がる。
岩登りほどではありませんが、特に降りでは立木に掴まる事が多いです。知らず知らずの内に上半身も使っています。実は私、山歩き再開前に四十肩で腕が上がらなくなっていました。仕事では定規と鉛筆しか持たないし、せいぜい試作段階でもピンセットと半田鏝くらいしか持っていませんでしたから。それが山歩き再開で一発で治ってしまいました。やはり人間は動物、動かなきゃ静物(お亡くなり)になってしまいます。
現役の頃は毎週末のトレーニングで疲れ切った身体を月~金曜の間で回復させ、また土日でトレーニングといった生活をしていました。
それに比べりゃ今の山歩きなんて本当にお遊びです。でもそのお遊びがPPK作戦には無くてはならないものになっています。

先週の筋肉痛も昨日の行動中にいつの間にか消えてしまい、本日は朝から全く疲労感は無し。やはり毎週続けなければPPK作戦遂行は難しそうです。