齢相応にノスタルジー

先日録画してあったものを観終え、通常のTV放送に切り替えたら見憶えのある映画のシーン。モノクロームの画面に透き通るようなチャーミングな顔、紛れも無い映画ローマの休日のA・ヘプバーンです。
もう何度もTVで観たものですが、やはりそのまま観続けてしまいました。
モノクロである事を忘れさせてしまうほどの色鮮やかさを感じさせてくれます。カメラワークの秀逸さだけでなく、ヘプバーン自身の持つ気高さ優美さ、それに加えてごく自然な茶目っ気が加わり、ついつい引き込まれ結局最後まで観てしまいました。
彼女自身がベルギーだったかな?貴族の家柄に生まれ、成長期は戦時下の食糧難で花の球根を齧って飢えを凌いでいた。なんて話を聞いた記憶があります。あの上品な美しさやスレンダーな容姿を目にすれば、さもありなんと思えます。
彼女は私にとって永遠の女神様です。映画が終わると次週の予告。次回は【麗しのサブリナ】だそうです。迷う事なく録画予約をしたのは言うまでもありません。
水曜日放映ですっかり忘れており、本日偶々思い出し観ることに。
これもモノクロですが前回同様まるでカラー映画のように色鮮やかさを感じます。いや〜、映画って本当に良いですね。(ん?どこかで聞いたようなセリフ。そうそう水野某さんでしたっけ。)
登場人物全て悪人なぞ居なくて、喧嘩をしても茶目っ気たっぷり。いつも相手の幸せを願っている、ハッピーエンド映画の楽しさ満載です。
女性向け7分丈パンツのサブリナパンツってこの映画でヘプバーンが履いていたパンツから来てるんですね。いや皆さんご存知ですよね。
これらの映画、丁度ハリウッド映画がモノクロトーキーからカラーに切り替わる時期、丁度私の幼い頃のものなんですね。特に【ローマの休日】なんて戦後暫くハリウッドにレッドパージの嵐が吹き荒れていた頃のもの。コミンテルンに被れた俳優達がハリウッドでの活動を制限されていた為、資材も役者も全てをローマに持ち込みそこで製作された映画です。ですからハリウッドで製作された純粋なハリウッド映画では無いのですね。そんな事を思い描きながら観るとより一層映画が面白く観れます。
そして私が小学生から中学生へとなる頃の作品が、マイフェアレディでありシャレードであります。これらはもう完全なカラー映画。ヘプバーン作品ではありませんが、移行期にはテクニカラーと称してモノクロとカラーが混在した映画もありました。【南太平洋】なんてそうだったんじゃ無いかな? Happy talkntalkn happy talkなんて歌を思い出します。
そうそう、日産のスポーツカー、フェアレディも映画のマイフェアレディから来てるんですよね。ダイハツシャレードは10数年後なので映画からとったのかどうか定かではありません。
麗しのサブリナ】を観終えると次は【暗くなるまで待って】の予告。これはもうかなり後の作品です。ヘプバーン自身が40代にかかってたんじゃあ?私が高校生の頃ですから。
学校サボって観に行きましたとも。役作りの所為もあってかかなりお老けになっていました。天使の面影なんて皆無でしたが、これが返って女優ヘプバーンの凄さを垣間見る事になりました。終盤、アランアーキン扮するギャングがナイフを床に突き立てながら這いずって近付くシーン、あの鬼気迫る形相は今でも鮮明に覚えています。あの凄みからアランアーキンと言う役者さんを知ったのです。そう言えばTV番組【サンセット77】の主役の一人エフレムジンバリストJr.がヘプバーンの旦那役をやってました。この作品以降映画から遠のいて行かれました。そしてまた暫くの期間をおいてユニセフ親善大使として活躍されるようになりました。お年は召していても慈愛に満ちた眼差しは若い頃と変わりありませんでした。
次週もまた観ちゃうんでしょうね。これらの作品は幼き日々や青春時代などのノスタルジーを想い起こさせます。齢とともに感傷に浸ることが多くなりました。
ヘプバーン自身はもうかなり前にお亡くなりになっています。そして昨日は千葉真一さんそして今日は仁鶴師匠と相継ぎ亡くなられています。平成も終わり令和三年も既に半分過ぎてしまいました。昭和は遠退く一方です。