冬支度

我家の庭、日に日に満天星の紅葉が鮮やかになって行きます。始めの頃はまだクロロフィルが分解されず合成されたアントシアニンと同居中の為か赤黒い色をしています。クロロフィルの分解が進むにつれて赤黒さが薄まりどんどん鮮やかな赤に変わって行きます。今はまだ赤黒いところも残っていますが全体が鮮やかな赤に染まるのももうじき。透過光に透かして見るとこれがまた綺麗なんですよね。
台杉の下の石蕗も今が盛り。花が終わったら長く伸びた花茎を切り取ってやらねばなりません。
秋たけなわ、なんて思いながら遠くに目を遣ると東屋奥の山茶花に赤いものが。目を凝らすと既に一輪咲いていました。鈴生りの蕾は気付いていましたが、もう咲き始めましたか。
少々フライング気味の冬の風物詩、誰に言われるでも無く自らの意思で冬支度を進めているんですね。
つい先日剪定したばかりのシマトネリコ、その時はまだ緑が濃く鬱蒼としていましたが、風通しの良くなった樹形の所々黄色くなっています。銀杏などもそうですが、こちらはクロロフィルが分解されてもアントシアニンが合成されず元々あったカルチノイドのみが残り黄葉するんですね。
隣地の雑木も紅葉黄葉しておりそれがとてもカラフルです。それらが終わると褐色の枯葉となりハラハラと散って行きます。
太陽光によりデンプンと言う養分を合成していた化学工場、エネルギー源の太陽光が乏しくなると生産によるプロフィットより工場維持のコストがかさむようになります。いわゆる採算分岐点割れしてしまう訳です。そうなれば残念ながら工場を閉鎖するしかありません。かくして夏の間フル生産に凌ぎを削っていた各工場にもリストラの嵐が吹き荒れます。
人間社会でのリストラと言うと聞こえは悪いですが、自然界ではこうして昔から連綿と続けられていたのです。
開けない夜は無いように、やがてまた春が来ます。そうすればまた新規に工場を作ればよいのです。そして経済活動に励めばよい。
その前にこちらも冬に備えて準備をしなくっちゃ。
明日はかみさんがお出かけ。私はお留守番兼お目付役。そうだ冬タイヤに変えておくか。